酸とアルカリどちらを使うか「ここを間違うと大変」Ⅱ
お風呂場
酸を使う場所でトイレは前々回述べました。今回はもう一つの大切な場所「浴室」についてです。
お風呂場では入る人が石鹸とかシャンプーを使用しますが、これらはアルカリ性です。汚れ取りの殆どがアルカリですので、このアルカリ分が浴槽や浴室内に残留します。これがヌメリや滑りの原因になるのです。家庭用のお風呂場であれば、それ程酷いアルカリ残留は滅多ないでしょうが、スポーツ施設やスーパー銭湯など、大量の人が利用する場所では石鹸やシャンプーの使用量が半端ではありません。アルカリ残留も起きやすいわけです。
一方、浴室の床はタイルとか石材など、硬いもので出来ており、転倒すると重大な事故につながります。汚れの堆積により床はより滑り易くなりますので、頻繁な清掃が必要になります。
こうした際に、使用する洗剤に注意しないと、「他でも使用しているのでこれで良いだろう」と万能洗剤(アルカリ性です)を使用してしまうと、アルカリにアルカリですので全く効果がありません。その為、お風呂場の清掃は大変で、あるゴルフ場の男子の浴室はポリッシャーをガリガリと回し、2時間掛けて清掃していました。
物理的力+化学的力
のうち化学的力(洗剤の力)が効かないので物理的力(ポリッシャーで擦る事)を増やすしか方法がないのです。
正しい洗剤を使用しましょう。一般的にはお風呂場では酸性洗剤が必要です。残留したアルカリ分を酸が溶かしてしまいますので、簡単に清掃が終わります。このゴルフ場も30分で済むようになりました。
大きなお風呂場ではフォームガンを使用しましょう。容器に洗剤を入れ、水道に繋ぐと洗剤を希釈しながら泡状になって出てきます。最初は濃い目の希釈で、デッキブラシ等で少し擦ってやる必要があるでしょうが、二度目からはフォームガンから泡を出して洗浄箇所に定着させ、5分置いてから水で流してやるだけで綺麗になるでしょう。弊社HPで動画を出していますので、興味のある方は参考にして下さい。
トイレと風呂場は(あと錆び取りもですが)洗剤の方向が逆ですので注意してください。ここを間違ってしまうと大変です。
弊社の浴室用酸性洗剤「フォーミィQ&A」はおかげ様で対前年度比150%を示しています。
しかし、酸性洗剤は耐酸性の無い建材(大理石や色の濃い磨き出しの御影石など)には不向きです。また、カビ取り剤の次亜塩素酸と同時に使用する事は出来ません。
こうした場合に役に立つ(対前年比180%の)洗剤があります。
次回にご説明しましょう。