都内メンテナンス会社のトラブルシュートから
トイレ用除菌洗剤NABC(ナバック)を使用して、社員の一部が目やのどが痛くなると言う都内のメンテナンス会社からのご相談をメールで受け、電話で対処しながら、昨日現場を実際に見に行きました。こうした場合に一番重要な事は実際の作業を見る事です。新しいメンテナンス技術を行おうとした際に何かトラブルを起こすのはどこかやり方が間違っている所為ですので、実際に作業を行ってもらい、どこが違っているのかを見る必要があります。実際に作業をしてもらわないと、作業結果だけでは適切な修正が出来ないのです。
今回も実際に作業をしてもらいました。電話ではスプレーが霧状になっていると良くない旨伝えておいたのですが、作業をしてもらうと、布にスプレーを4回位し、対象箇所を拭いていました。現場は診療所で除菌の必要があり、NABC(ナバック)を使用していたのです。ここではNABCを1:3で希釈して使用していました。のどのクレームがあってから一度は1:10にしたようですが、現在は1:3に戻して使用していました。
実際に布にスプレーする際に、ノズルが絞ってある為、霧状になって洗剤が少し(多くはありませんでしたが)飛び散っており、敏感な方なら感じる事もあるでしょう。
NABCは院内感染防止レベルの除菌剤が配合されている為、洗剤が飛び散るような使用をしてはいけません。スプレーをする場合はドバドバと言う感じか、水鉄砲の様にして使うひつようがあります。スプレーも勢い込んで握りしめる様にすると霧になり易いのですが、ノズルを調整する事と、柔らかくノズルを動かせば霧になりません。霧が目や鼻に入らないようにしながらスプレーし、塗り拡げる様にして拭き上げていきます。また、布に4回程度スプレーするだけでは洗剤の量が足りません。除菌洗剤がしっかりと洗浄箇所に付く必要があります。
この洗剤はトイレ特有の細かな汚れを綺麗に除去する様に設計されていますので上記の様に正しく使うと陶器や金属が元の光沢を取り戻してピカピカになります。実際に正しい作業をその場で教えしました。私が作業をやって見せ、作業者の方にやってもらうのです。
「除菌剤なのになぜ汚れが落ちるのか?」などの質問も受けましたが、NABCは除菌剤単体ではなく除菌剤配合の洗剤である事、第四級アンモニウム塩は一種の洗剤である事などを説明しました。肝心な事ですが、陶器がピカピカになる様子も見てもらいました。
同席された本社の課長さんから他のビルで2日に一度のバイオボウルをやっているがあまりうまく行かない旨の相談も受けましたが、小便器内側での使用量が圧倒的に足りていない事を指摘しました。本来便器内にM字を描くように塗布してからボウルスワッブ(トイレ用ブラシ)で擦るのですが、ここではボウルスワッブに少し洗剤を付けるだけでした。M字を描くと約30C.C.でるのですが、ボウルスワッブに付けるだけでは2C.C.程度ですので15分の1の量という事になります。作業者の代わりにバイオを働かせようとするのですから充分な量が必要になるのです。ここでも除菌剤配合の酸性洗剤で実際にやって見せましたが、バイオボウルも「(しっかり)付けて、(万遍なく)擦り、(充分)水で流す」事が重要なのです。
洗剤の効果が出ない場合、(トラブルの原因は色々あるのですが)真っ先に疑わしいのは洗剤の量なのです。