酸とアルカリどちらを使うか「ここを間違うと大変」Ⅲ | お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

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先週の金曜日に対前年比180%の浴室用洗剤の話(予告)をしました。今日はそれについて述べていきましょう。

浴室は石鹸やシャンプー(アルカリ性)を使用する事から、通常の汚れ取りであるアルカリ性洗剤は全く効果が無いのは述べた通りです。アルカリ残留(これがヌメリます)に対しては酸が有効な訳です。しかし、それでは大理石の浴室などはどうしたら良いのでしょう。大理石は殆どカルシウム(アルカリ性)で出来ているので、酸を使用すると溶けてしまいます。変色を起こすなど、大変なことになってしまうのです。また、御影石は本来は酸には強いはずなのですが(火成岩なので)、昨今の輸入物の中には酸に弱いものも少なくありません。水磨きなど鏡面仕上げで、色の濃いもの(黒・茶・濃い赤など)は目立たない場所で原液をたらして様子を見るなどのテストが必要になります。テストで色変わりなどすれば、ここでも酸性洗剤は使用できない事になるのです。

また、酸性洗剤は次亜塩素酸とは同時に使う事は出来ません。次亜塩素酸は通常pH12程度で安定しています。これをpH7の水で薄める事によって分解が始まるのです。pH4~5で非常に強い毒性を持つため、水で薄めている分にはいいのですが(pHは7以上ですので)、酸と混ざると一気に酸の側に傾き強い塩素ガスを発生し非常に危険なのです。次亜塩素酸はカビ取り剤の主成分ですので、お風呂場で使用する際には酸性洗剤(通常のお風呂用洗剤)と一緒に使用しないなどの注意が必要になるのです。

さて、こうしたケースでピッタリなのが弊社で例の180%更新の「CDC-10」(シーディーシーテンと読みます)です。この洗剤はアルカリになた向いています(pH11.9)。しかし、アルカリで落とすのではありません。キレートを使用しています。汚れを挟み込むようにして落としていきます。勿論感染防止洗剤ですので、衛生性向上と無臭化を果たします。

この洗剤は前回紹介した「フォーミィQ&A」よりほんの少し洗浄力は落ちますが、それでも通常(家庭用)よりも相当に強力に出来ています。「フォーミィQ&A」は都内のスポーツ施設やスーパー銭湯など使用頻度の激しい場所に向きますが、それほど汚れが酷くはならない場所や老人ホームなどには最適です。酸を使用するには少し教育が必要ですが、この洗剤はアルカリ性ですので使い勝手が(通常の洗剤と同じで)良いのです。老人ホームでは施設の方が作業をするケースも多く、簡単な方が喜ばれるのです。

使用方法は「フォーミィQ&A」と同じです。フォームガンを使用すると便利です。興味のある方は弊社HPの動画をご覧ください。

トイレと浴室、水周りは洗剤の方向が逆ですのでここを間違えないようにしましょうm(_ _ )mm(_ _ )mm(_ _ )m。