土砂をコントロールせよ「①マット管理」 | お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

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土砂をコントロールせよ「①マット管理」

建物内の床管理で最も重要な事項になります。カーペットもワックス管理も、或は大理石や御影石の磨き出し(光沢のある床)も同様です。土砂はヤスリと一緒ですので放置すれば、カーペットであればパイル(糸)を擦り取りますし、ワックスや大理石では床にスクラッチ(ひっかき傷)をつけ、光沢を落とし、見苦しくしてしまいます。これを防ぐには予防的な措置と対処的な処置があります。

予防として最も有効なのはマット管理です。我が日本ではあまり重要視されていませんが、欧米でのメンテナンスでは先ず第一歩がこれです。もうだいぶ前になります(多分20年近く前でしょう)が、ワックスメーカーと機械メーカーに研修に言った際に、両方とも期せずして講習が始まる前に、「日本のマット管理はどうなっている?」と言った質問を受けました。

マットは様々な用途があります。土砂を取る為のマット、雨天用のマット・・などです。土砂用のマットは土砂管理には最適です。先ず、全ての出入口に敷くべきです。そして、適正な土砂マットを12~15フィート(3.6m~4.5m)、同じ足が2度触れる距離敷くと靴の裏の土砂の85%を除去出来ると言うデータがあるのです。建物内に運ばれる土砂の80%は靴の裏からですので、建物内に運び込まれる7割(実際の計算では68%)近くがマットを管理するだけで除去出来る計算になります。同じ足が2度着く距離との事で、最初の一歩で35%、二度目の一歩で50%取れます。二度目が重要です。米国人は大きいので4.5m必要ですが、我々日本人であれば3.6mで良いでしょう(最近は足の長い若者も増えていますが・・)。

マットは毎日バキュームを掛けましょう。ここをいつも空(土砂が無いという事)にしておけば、土砂を十分に吸ってくれます。そして、床全体に入り込んでしまった土砂を管理するより、ほんの少しのマットをバキュームするだけで、7割の土砂が除去出来るのですから効率から言えば大変オイシイ作業と言えるでしょう。オーナーとのすり合わせが必要ですが、工夫すれば床の作業が軽減され、美観も向上する事になります。