メンテナンスの思考法②「汚れの種類とターゲティング」
昨日は「素材を知る」を述べました。今日は「汚れ種類とターゲティング」です。メンテナンスを合理的に行う為には、どの汚れを重点的にコントロールすべきかを判断する必要があります。あらゆる汚れに対し、モグラ叩きの様に対処していては焦点がボケ、効率が上がりません。それぞれのメンテナンスには対象にすべき汚れが既に絞り込まれており、それをコントロールすれば「概ね良好」と言ったツボがあります。
カーペットで言えば土砂です。もう一つはシミもありますが、現在の染み抜きは大変よくできていますので、シミにスプレーし、白い布(タオルやウエス)を押し付けて(踏んづけます)取り去ります。シミはなるべく早く取りましょう。コーヒー、紅茶と言った水性のシミが厄介で、3日~1週間も放置すると抜けなくなってしまいますので、早めに処理しましょう。
土砂についてですが、カーペットメンテナンスで厄介なのは、カーペットにもぐり込んだ土砂が目に見えない事です。出入口付近には靴によって運び込まれた土砂があるのは自明の理なのですが、それに気が付かないと、土砂が溜まり、ドンドン人が歩く通りに広がっていきます。人の通り道が黒ずんだり、逆に土砂が踏まれて、パイル(糸)が抜け、色抜けしているようなケースはカーペットバキュームが足りないのです。こうなったら交換するしか手がありません。カーペットにはバキュームが必要なのです。一時この理屈を知らない業者が多く、日本のカーペットはメンテナンス状態が悪いことで世界的に有名でしたが、現在は大方良くなっています。
トイレで言えば、尿石と水垢になります。トイレ清掃で大変なのは便器の清掃になりますが、便器には釉(うわぐすり)が付いており、これはガラス質で硬く、ツルツルしているので汚れが付き難いのです。それ以外の部分もプラスチックやクロームメッキされた金属で出来ており、また床も大概水洗い可能になっていますので、トイレルームは最初から汚れが付き難く、付いてもすぐに取れる構造になっています。しかし、多くの人が使う業務用のトイレは使いが激しいことから、上記の尿石と水垢が付き易いのです。
そこで、この2つを上手くコントロールしてしまえば、もともと掃除が簡単な場所ですので、トイレメンテナンスが大幅に楽になるはずです。
これが、メンテナンス思考の二番目「汚れの種類とターゲティング」になります。