メンテナンスの思考方法「素材を知る」
世界的にはプロの行う清掃の事をメンテナンスと言います。自分達の目指しているものは単なる清掃(cleaning=クリーニング)ではなく、論理性・合理性を基準にしたメンテナンスである(maintenance=メンテナンス)と言う主張です。このメンテナンスには様々な種類があります。床のワックスメンテナンス、カーペットメンテナンス、トイレメンテナンス・・・・等です。それぞれ全く異なったものですが、考える手順と方式はみな同じです。以下の様になります。
1.素材を知る
2.汚れの種類とターゲティング
3.正しいメンテナンス方法を知り、実践する。
最初にすべきことはメンテナンス対象の素材の特性を知る事になります。ワックスであれば、「水溶性で剥離が出来る金属架橋型のアクリル樹脂」と言うのが特性になっています。アクリルは硬く透明ですが、プラスチックですので、ガラス程の硬度はありません。土砂で直ぐに傷がついてしまう事が特徴の一つですので、その対策が重要になります。また、重ね塗りをしますが、汚れが取り切れなかったり、床洗浄にはアルカリ性の強い洗剤を使用しますが、この金属架橋はアルカリで崩れる様に設計されている為(この特徴で剥離が出来るのです)、洗剤分を取り切れないと、ワックスの層が不完全になったり、黒ずみを起こしたりします。
カーペットであれば、この床材は3次元の世界になっている事が特徴になります。毛足が立っている為に、土砂などの汚れが中に入り込むため、汚れが見えない事、汚れの移動がないので、通常の清掃は隅が重要なのですが(汚れが移動して隅に溜まるのです)、カーペットでは人が歩く所(パスと言います)を重点的に清掃するのが合理的になります。通常と異なり、「四角い部屋を丸く掃く」感覚の方が正解なのです。
トイレやステンレスなどもその特性を知る事からスタートする事になります。