水拭きではプロになれない⑤ | お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

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水拭きではプロになれない⑤

 

日本には水神話があり、水が綺麗で、「水で濯ぐ(ゆすぐ)」・「水で洗う」を尊びます。我が日本人は水を汚さないと言う伝統をもっていますので、水に対する信頼性が高いのです。これはこれで良いことですし、一般の方のお掃除は水洗いや水拭きでよいと思いますが。プロはこれでは物足りません。前々回の「時間短縮と作業効率向上」でも述べましたが、素人が洗うコップとプロのバーテンダーが洗うコップでは光沢も手触りも変わります(尤もコップも違うかもしれませんが)。プロとしては、バーテンダーのコップを目指す必要があるでしょう。

その為に、重要な事は中性洗剤を活用する事だと考えています。日本では建物に中性洗剤を使用する事があまりありません。床もせいぜい水拭きですし、ドライ方式と称して、水拭きすらしないケースすらあります。一方欧米ではノンリンスの中性洗剤が発達しており、様々な洗剤があります。

 床を例に取ってみましょう。弊社で床用の中性洗剤は「ダンプモップ」と言う商品で、1:64稀釈で使用します。床に着いた細かな汚れ(ファインミスト)を除去します。これに除菌剤を加えたのが「DMQ」と言う商品で使い勝手は同じですが、除菌剤が入っている為、衛生性が向上するのと、消臭効果(悪臭の原因菌を殺すので)を持っています。食品関係の商業施設や病院などで使われますが、特に人気があるのは老人ホームです。この洗剤には光沢剤が入っているのです。老人ホームは上履きが多いので、ワックスの再塗布が年1~2回と少なく、また、お年寄りが食べ物を零したりすることが多いので床を拭く回数が少なくありません。この時に、水拭きではワックスの光沢が段々なくなりますが、DMQを使用すると、拭く度に光沢が出てきますので、床がいつも綺麗なのです。

一方、最近では「ピロキシー」というハイブリッド万能洗剤1:64稀釈液を使用するケースも増えて来ました。これは酸に傾いた珍しい万能洗剤で、酸に傾いている事から、トイレやお風呂にも使用できるます。使用範囲が広いことが特徴になっています(しかも、環境対応として最も厳しい基準をクリアしています。コマーシャルですが・・)。これを使用しても床は綺麗になるのですが、DMQとの違いは完全に汚れを取り去る事で綺麗にするのです(中性洗剤より強いので汚れ落ちが良いのです)。

このように、単なる水拭きと違い、中性洗剤(ハイブリッド万能洗剤にも言及しましたが)をうまく活用すれば、さまざまな効果の違いを出す事が出来、差別化につながります。DMQでは床の光沢が上がる感じ、ピロキシーでは床がスッキリ仕上がる感じです。除菌と環境対応の違いもあります。

こうした違いが床や立面等で起こります。繰り返します。水拭きではプロ化は出来ません。