人件費に集中せよ④ | お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

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「仕事でお掃除をする方の作業を楽にする事」が使命(ミッション)だと考えています。

 一般の『お掃除』から世界のプロが実践する『メンテナンス』の紹介をしています。

作業時間短縮が何より重要

 

人件費に集中せよ

 

昨日は作業効果(品質向上)を主に書きました。今日は作業時間短縮(コスト)についてです。メンテナンスを実施する際には「人件費に集中する」するという事が世界の共通認識です。昨日も書きましたが、メンテナンス業の支出の80%以上を人件費とその絡みが占めますので、コストの問題は即、人件費の問題という事になります。所が我が日本では、コスト削減の主な対象は資器材費になっているのではないかと思われるくらい、資器材にお金を掛けません。人にまつわるものを削減するのはやりにくいという事があるのかもしれません。しかし、資器材とメンテナンス方法を最新のものにしなければ、時間短縮の達成は不可能です。

一例を上げましょう。

業務用トイレ(家庭用ではなく一般の人も使う使用頻度の激しいもの)を例にします。

我が日本で一番多いのは洗剤を何でもよく落ちるとされているアルカリ性万能洗剤を使用し(確かに希釈度が高いので洗剤代金は安いでしょう)、便器内を手でゴシゴシ擦り、尿石や水垢が酷くなる前に削り落とします。使用の多い場所では便器1つについて3分掛る事も珍しくありません。便器に手を入れると、作業者の安全性にもお客様の衛生性にも問題を起こす可能性があります。

トイレメンテナンスを合理的に考えましょう。

上記の洗剤の使用が適切ではありません。業務用トイレの便器内側は尿石と水垢の堆積が激しい事から酸が必要になります(尿石はカルシウム、水垢はカルシウムと二酸化ケイ素=カルシウムはアルカリ)。ここを酸性洗剤にバイオが入った弊社「バイオボウル」を使うとします。洗剤が適正ですので、便器内の清掃が圧倒的に早くなります。内部一面をトイレ用ブラシ「ボウルスワッブ」で擦り、水で流すだけです。バイオの力で、小便器であれば皿清掃の回数が減るとか、バイオによる消臭効果がもたらされますし、汚れも予めバイオが消化してくれますので、作業自体が段々楽になります。便器内側以外はノンリンスの弊社トイレ用洗剤「NABC(ナバック)」をスプレー(霧はダメです。吸い込んではいけませんので、ドバドバと言う感じか水鉄砲の様にします)し、乾いたタオルで拭き取ればおしまいです(便座上部とベビーシートは水拭きが必要)。NABC(ナバック)は便器や陶器・金属部分のファインミスト(昨日のブログ参照の事)を除去しますので、便器や陶器・金属がピカピカになります。除菌剤配合ですので衛生性も向上します。しかも清掃時間は1分から1分半と言ったところで収まります。

正しい洗剤・資器材を正しい方法で行えば、こうして時間短縮が可能になります。やり方を変更する事になりますし、新しい技術の習得が必要にはなりますが、こうした知識と技術の蓄積こそがメンテナンスのプロになる道なのです。