ここの所の営業会議で二度(それぞれ違う参加者でしたが)、弊社の掃き拭き同時・マイクロモップについて、お客様の評価が思わしくないと言う報告を受けました。一つはある病院清掃をしている会社で、弊社のモップは取り残しが出るとの評価を受けたというものでした。もう一つはある駅のトイレで大きな紙ごみなどが取り難いというものでした。弊社営業はこのことから、このモップについての優位性を疑っていたようでしたので、こうアドバイスしたのです。
「欠点のない商品はない」「全てに万能の商品もない」
私の大好きなマーケティングの著者で「エスキモーに氷をうる」のジョン・スポールストラがいるのですが、彼の身上は「商品が我々を救う事はない」です。
それぞれの商品には必ず欠点があり、それを克服する事が自分達の責務と言う意味なのですが、その通りといつも思っていますし、また、取り扱い商品の欠点ばかりあげつらうのは営業の精神として感心出来ません。その商品の良い所を自分も知り、上手く人に伝える事が重要です。
上記の内、病院の方は少し議論のあるところですが、もう一つに関して言えばそもそもこのモップはフラットな形状から大きなゴミ取りには向いていないのです。
さて、実はこの掃き拭き同時・マイクロモップはワックスを塗布した床には最適です。通常床に使われるワックスはアクリル樹脂です。アクリル樹脂の特徴は安価で透明、そして硬い事です。しかし、硬いと言ってもプラスチックですので、ガラス程の強度はありません。
私がワックスメンテンナンスの講習をする際に良くやるパフォーマンスが、透明のアクリル樹脂の上に砂を少し載せ、靴を脱いで、靴裏で軽くこすると、透明だったアクリル樹脂に傷が一杯出来るというものです。このブログでも書いたことのある「伝説のインストラクター/リー・レマスター」に教わった方法です(残念ながら亡くなった事は既報しました)。
軽くこすって多くの傷がつくことで、床上の土砂や細かな汚れが如何に簡単に樹脂の光沢を落とすかをイメージさせる事が出来るのです。
現在の樹脂ワックスは原型が開発されてから50年近くの歴史を持っており、技術的には相当に練り込んだものになっています。上手く管理すれば、メンテナンスも楽になり、光沢維持もしやすくなっているのです。かつてあったような黄変もする事がありません。
その為には、上記の土砂や細かな汚れ(ファインミストの説明は何度かしました)の除去が非常に重要なのです。
こうした、汚れに対し、マイクロファイバークロスと適正洗剤の組み合わせの重要性は強調し過ぎてもし過ぎという事はないのです。
上手く使えば、毎月ワックスを削って再塗布するという単調で乱暴な方法ではなく、見事なワックス床を出現させることが可能です。
向かない場所は確かにあるでしょうが、厳然として、非常に効果を発揮する多くの場所がある事も確かなのです。
ある場所では床の美観を上げただけでなく、作業時間を1/3にしました(2/3時間の削減です!)こんなにオイシイ業務改革は滅多にあるものではありません!(!がシツコイですが)
彼らに、「メンテナンスの勉強をもっとする様に!」と強調したのは言うまでもありません。
