「Disinfectant Cleaner(環境消毒洗剤)」とは何か | お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

「仕事でお掃除をする方の作業を楽にする事」が使命(ミッション)だと考えています。

 一般の『お掃除』から世界のプロが実践する『メンテナンス』の紹介をしています。

「Disinfectant Cleaner(環境消毒洗剤)」とは何か

弊社の扱っている感染防止洗剤(除菌洗剤)は米国ではDisinfectant Cleaner=ディスインフェクタント・クリーナーと言います。Disはnot(しない)と言う否定系です。Infectionは感染と言う意味ですので「感染しない・洗剤」と言う事になるのです。この規定は厳格で、使用箇所は硬く(Hard Surface)穴の開いていない(Nonporous)表面になります。これは昨年末に書いた通りです。

私達の感染防止洗剤はEPAに登録された洗剤になり、通称EPA登録洗剤と言われています。
米国ではこの洗剤は微生物を殺すことから、販売にあたってはEPA(Environmental Protection Agency=米国環境保護局)の認可が必用になるのです。ここまではどこでもよくある環境規制ですが、ここからが米国人のシステム作りの上手い所で、認可に当たって、どの微生物に有効かをハッキリさせようとしたのです。スパルタンケミカル社のような一流会社でも自社のテスト結果ではダメで、必ずEPAが認めた第三者のテスト機関の証明が必要になっています。そのテスト機関は一般細菌であれば60回の有効テストを繰り返し、有効性の有無を評価します。

そのテスト結果をボトルやカタログに明記する約束になっていますので、使用者は安心して使用できるのです。一般細菌の中には状況が良ければ、15分で分裂し、増殖するものもありますので、計算上は1匹が5時間経つと100万匹になってしまいます。環境消毒に当たっては、完全に除去できるかどうか(上記の硬質・非孔性表面において)が非常に重要なのです。

 通常はこうした洗剤の多くはノンリンスタイプになります。リンス拭きのタオルが常在菌による日和見感染を起こすことがあるので、2度拭きはして良いかどうかが議論になるからです(手術室ではいけません)。

しかし、最近はノロウィルスに対応する必要から、アルカリ分の高い洗剤も出回って来ました。これの場合はリンス拭きが必要になります。ノロウィルスは除去しにくい事から、中性の領域では力が足りないんでアルカリ分を高くしています。
 対象微生物によって、洗剤も使用方法も変わって来ています。常に新しい情報が必要という事になりますネ。