仕事でお掃除をされる方の為のブログ
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洗剤の使い方①
洗剤とは
洗剤の主成分は界面活性剤と言います。
水の中に油を入れると、水と油は分離します(「水と油」と言うように仲がよくないのです)。この中に界面活性剤を入れると、油が水中に溶け込み白濁します。境界面が無くなる(活性化する)ので界面活性剤と言うのです。
即ち、界面活性剤の主な働きは水と油を仲良くさせる事です。
全ての汚れの80%は水溶性と言われています。そうすると20%は疎水性(親油性)と言う事になる訳ですので、水拭きでは80%の汚れしか取れない事になり、洗剤拭きでは100%取れる事に(理屈では)なる訳です。
もう一つの大きな働きは水(正確には水溶液)の表面張力を落とす事です。様々な表面はツルツルしているものでも、小さなクレーターがいっぱいあります。水は表面張力が強い物質ですので、小さなクレーターの中の汚れを取る事が出来ませんが、界面活性剤を使用すると、表面張力が落ちるので小さな汚れも蹴りだす事が出来るのです。
もう一つ例をあげましょう。
皆さんが土いじりをしたとします。水で手を洗ってください。綺麗にするのが大変なはずです。しかし、石鹸をつけて洗えばすぐに綺麗になってしまいます。
さて、土は有機物ではありません(油ではないのです)、無機物です。なぜ、綺麗になるのかと言うと、手に付いた土は、手にこびりついています。
即ち、その土には一杯筋や空間があるのです。
水は表面張力の強い物質ですので、その中に入っていけません。
石鹸を使うと表面張力が落ち、石鹸液が筋や細かな空間から、手にこびりついた土の中に入り込み、湿潤することによって手から離れるのです。
この作用が界面活性剤の大きな働きの一つになるのです。
通常はこの界面活性剤に、助剤や添加剤を入れ、特徴を出して洗剤として売りに出しているのです。
繰り返します。洗剤の主成分の界面活性剤の主たる働きは以下の二つです。
1. 水と油を仲良くさせること。
2. 表面張力を落とすこと。
この界面活性剤(様々な種類があるのですが)に助剤や添加剤を加え、特徴を出し、洗剤として販売しているのです。
複雑な事を言えばきりがないのですが、原理・原則的な所を捉えると使う側に立った理解としては以上の所を基本にすると考えやすいと思います(最新のハイブリッド洗剤は少し考え方が変わるのですが)。