環境消毒剤の種類
今回は世界で使用されている環境消毒剤の種類について述べましょう。
一般的に以下の4種類になります。
1.アルデヒド系
2.ハロゲン系
3.フェノール系
4.第四級アンモニウム塩系
です。
1.のアルデヒド系の代表的な薬剤はホルムアルデヒドです。
これは気体で、水に溶けます。その水溶液がホルマリンになります。かつては広く使われていた薬剤ですが、現在は人の環境では殆ど使用されることはありません。
環境アレルギー(シックハウス症候群)を起こすことから、わが日本では最初に学校教育法で使用が禁止され、現在は建築基準法でも制限されています。今は畜産や水産の現場で使用されているようです。
2.のハロゲン系の代表的な薬剤は次亜塩素酸ナトリウムです。
皆さんよくご存知の塩素系漂白剤です。カビ取剤としても広く使われています。
病院や老人ホームなどの環境消毒剤として日本では使用される例が多いようですが、世界的にはノロウィルスや特殊な場合を除いてはあまり使用されていません。その理由は
① 正規の希釈率の物を正規の使用方法で行った場合には強い刺激がある。
② 水で薄めて使用しますが、分解が早いのです。希釈後30分~1時間以内で使用しなければ、効果がない。
③ 金属を腐食させてしまう。
④ カーペットなどを漂白してしまう。
などです。
また、②の分解が早い事から、希釈後いつ使用するかで効果が測れないことから結果にバラツキが出る恐れがあるため、前回述べたEPAの登録ができないのです(ここは説明が少し面倒くさいのですが)。
その為、(その内述べることになるでしょうが)米国での院内感染防止の基本ルールであるCDCガイドラインにそぐわないのです。
3.のフェノール系の代表はクレゾール石鹸です。
独特の臭いのする薬剤で、かつてはどこの病院へいってもこの臭いがしたものです。
今は、結核などの対応など特殊な場合を除いて使用が少なくなりました。
やはり、強い薬剤である事、排水に対しては規制がある事などが使用が少なくなった理由になります(細かい事を言い出すとキリがありませんが)。
4.の第四級アンモニウム塩は最も幅広く使われている薬剤になります。
逆性石鹸とも言われているこの薬剤は元々石鹸としての性質も持つため、除菌洗剤としても使用しやすいのです。
上記の中では最も安全であり、安定性にも優れていることから、世界的には幅広く使用されています。この薬剤は多くのものがノンリンス(水拭き不要)になっていますが(全てではありません)、濡れている時に効果を出します。
従って濡れている時には直に触れてはいけません。
現在ではこのほかに、過酸化水素を利用した洗剤も出ています。