14日、イタリアサッカー界を巻き込んだ大規模な不正疑惑の判決が下された。
前ユベントス会長アントニオ・ジラウド氏、同GMルチアーノ・モッジ氏、連盟前会長フランコ・カラーロ氏はじめ、審判、連盟職員などにも処分が下されたが、検察サイドの求刑よりも若干恩赦色強い判決となった。求刑はユベントスがCへの降格、ミランA残留、フィオレンティーナ、ラツィオがBへの降格というものだった。
各チーム、個人が上告するかどうかは不明。リーガ・カルチョはこの判決をもとに昨季順位を決定し、来季リーグ編成を進める。
カルチョポリ裁判の判決は
ユヴェントス・・・セリエB降格+ 勝ち点-30、04-05年と05-06年のスクデット剥奪、罰金10万USドル(約1100万円)
フィオレンティーナ・・・セリエB降格+勝ち点-12、罰金6万3000USドル(約730万円)
ラツィオ・・・セリエB降格+勝ち点-7、罰金5万USドル(約550万円)
ミラン・・・セリエA残留、勝ち点-15、チャンピオンズリーグ出場権剥奪、罰金3万8000USドル(約440万円)
また、ユヴェントス、フィオレンティーナ、ラツィオのセリエB降格に伴い、メッシーナ、レッチェ、トレヴィーソの3チームがセリエAでプレーする模様。なおチャンピオンズリーグにはインテル、ローマ、キエーヴォ、パレルモが登録される予定。
この事件に関与した方々↓
ユヴェントス関係
ルチアーノ・モッジ:活動禁止5年
アントニオ・ジラウド:活動禁止5年
ACミラン関係
ミニ・ミー:活動禁止1年 + 罰金5万ユーロ
レナルド・メアーニ:活動禁止3年6ヶ月 + 罰金2万ユーロ
フィオレンティーナ関係
アンドレア・デッラ・ヴァーレ:活動禁止3年6ヶ月
ディエゴ・デッラ・ヴァーレ:活動禁止4年
ラツィオ関係
クラウディオ・ロティト:活動禁止3年
FIGC関係
フランコ・カッラーロ前会長:活動禁止4年6ヶ月
インノチェンツォ・マッツィーニ前副会長:活動禁止5年
審判協会
パオロ・ベルガモ任命担当:追って通知
ピエールルイジ・パイレット:活動禁止2年6ヶ月
トゥリオ・ラネーゼ会長:活動禁止2年6ヶ月
ジェンナーロ・マッツェイ副コミッショナ:活動禁止1年
ピエトロ・インガルジョラ・オブザーバー:厳重注意
主審関係
マッシモ・デ・サンティス:活動禁止4年6ヶ月
パオロ・ドンダリーニ:活動禁止3年6ヶ月
ジャンルカ・パパレスタ:活動禁止6ヶ月
パスクアレ・ロドモンティ:無罪
パオロ・ベルティーニ:無罪
ドメニコ・メッシーナ:無罪
ジャンルカ・ロッキ:無罪
パオロ・タリアヴェント:無罪
副審関係
クラウディオ・パグリージ:活動禁止1年
ファブリツィオ・バビーニ:活動禁止1年
なお判決の確定は7/24で、上訴期間は5日間に設定。
コメント↓
ジョヴァンニ・コボッリ・ジリ:ユヴェントス会長
「奇想天外な判決で本当にありがとうございます。これは法に感情を持ち込むという著しくバランスを欠いた裁定であると考えております。セリエBについては覚悟していましたが、30ポイントのペナルティとは実質的にセリエC1から始めるようなものです。これについては厳重に抗議します」
ジャン=クロード・ブラン:ユヴェントスCEO
「極めて常識的な結論に至ると期待していましたが、最初からユーヴェ叩きありきで全く客観性を欠いた暴力とも呼べる酷い判決です。いっいた刑にこれほどの差別が生じた理由を誰が説明してくれるのでしょうか?我々はファンや株主の皆さんの利益を守るためにも断固上訴します」
ルチアーノ・モッジ氏
「クラブやファンの気持ちを思えば非常に悲しいですが、自分自身については何も思うところはございません」
フィオレンティーナ広報
「不当そのものであり、あらゆる手を尽くして戦うと宣言する。我々は常に潔白であると主張して来たが、その考えは判決が出た後でも一切変わりはない」
ACミラン広報
「これほど支離滅裂で意味不明な裁定はありません。早急に上訴を行い正義を勝ち取りたいと考えております」
クラウディオ・ロティト会長
「完全に誤った法手続きによるものだと考えているので、これは判決とは呼べない代物である。最終決定がなされるまで私は如何なる見解も示さない」