※今回のお話は、人物が特定されない為に年齢も時期も全てフェイクで書いてゆきます。過去のお話です。
登場人物
琴美ちゃん・・今回の主人公。30歳のヘアメイクアーティスト。
浩二・・・30代のお笑い芸人で、琴美ちゃんの彼氏。最近売れてきた。
浩二の妻・・浩二の携帯から、琴美ちゃんの他に2名の浮気相手を見つけ、いても経ってもいられない。現在妊娠中。
エイジ・・パンダの20年来の友人。女優・モデルさんを手がけるヘアメイクアーティスト。琴美ちゃんが所属する美容室のオーナー。ヒゲマッチョな男性と猫っぽい女子と観葉植物が好き。
※このブログは様々な女性の人生の一部を、私が本人に変わって書いています。
よろしければ他のシリーズも合わせて、読んでみて下さい。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生
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お店を出た私とエイジ。
浩二はまだ一人でもう少し
その場に残ると言ったので
まだ電車がある時間に私とエイジは
二人で駅に向かった。
エイジ
「まぁ、聞かなくても想像つくけど
二人きりの時に浩二から
なんか言われた?」
私
「さすが、お察しの通り。」
エイジ
「いや、なんか顔が
ムカついてます、みたいな
表情だったから(笑)」
私
「ごめん(-_-)
あんな見境ない男が
この世にいると思うと
ほんと気をつけないとね。」
エイジ
「まぁパンダは今回
エイジのことを知ってるから
軽くあしらえたかもしれないけど
ある程度売れてるし
顔も悪くないから
あの調子でいい寄られたら
好きなら信じたくなるよ。
これからだって
好き放題するんだろうに。」
私
「そうだろうね。
好きな人の言葉や態度は
良い部分だけ
信じたいからね。
それにしても…
琴美ちゃんになんて言おう。
奥さんと別れると知ったら
また気持ちが
盛り上がったりしないかな。」
エイジ
「確かに…
浩二からもう連絡ないなら
言わなくていいかも。」
私
「って言いつつ、
連絡ありそうだけど…」
エイジ
「パンダにも…」
二人で
ちびまるこちゃんの
ガーンみたいな顔になる。
てくてく。
てくてくてくてく。
エイジと少しだけ
無言で歩く。
パンダ
「うわっ。」
エイジ
「えっ。」
私は、ポケットに入れていた
携帯に目をやった。
私
「浩二だ。」
やっぱり番号は登録してないが、
それでも数時間前に見た数字。
目に入っただけで
浩二とわかった。
……。
さっ。
(ポケットにしまってみる。)
エイジ
「え、出ないの?」
見なかったフリをしていたら
エイジがすかさず突っ込んだ。
エイジ
「何が言いたいか聞いてみなよ。」
私
「ちょっと楽しんでるでしょ。」
エイジ
「多少はそうだけど(そうなのか)
今出なくてもまた
かかってくるだろうし
それなら今一緒にいる時に
出た方がいいじゃん」
私
「たしかに。
いや、そうなの?」
するとまた、
浩二から着信。
エイジ
「ほらね。こういう人は
頭の中でどんな言葉も
いいふうに変換する能力があるから
はっきり言わないと
わからないんだと思う。」
はぁ。
ひとまず、
電話に出てみることにした。