※今回のお話は、人物が特定されない為に年齢も時期も全てフェイクで書いてゆきます。過去のお話です。

 

登場人物

琴美ちゃん・・今回の主人公。30歳のヘアメイクアーティスト。

浩二・・・30代のお笑い芸人で、琴美ちゃんの彼氏。最近売れてきた。

浩二の妻・・浩二の携帯から、琴美ちゃんの他に2名の浮気相手を見つけ、いても経ってもいられない。現在妊娠中。

エイジ・・パンダの20年来の友人。女優・モデルさんを手がけるヘアメイクアーティスト。琴美ちゃんが所属する美容室のオーナー。ヒゲマッチョな男性と猫っぽい女子と観葉植物が好き。

 

※このブログは様々な女性の人生の一部を、私が本人に変わって書いています。

よろしければ他のシリーズも合わせて、読んでみて下さい。

 

シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』

シーズン2 武田さんの芝生 

『妊娠発覚。彼氏と思っていた人は既婚者だった。』

シーズン3 紀子さんの芝生

『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』

 

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落ち着いた店内に、
響き渡る謎の女の声。
 
いやそもそも、
例え知り合いだったとして
その人が誰かと2人で話していたら
相手を差し置いて
いきなり話しかけてくるって
かなり不躾だと思うんですが・・・
 
顔を上げると、
グラビアアイドルのような雰囲気で
短いスカートをはいている女子。
 
 

ウケるー

 
 
とかいう女子が
私は少し苦手なので
少しポカーンとしていたら
その隣で浩二は
 
 
 
私の2倍くらい
ぽかんとしていた。
 
 
 
どなたさま?
 
 
 
と言わんばかりに。
 
 
 
 
いやでも、
浩二って呼んでますよ。
明らかに知り合いでしょ?
 
 
 
 
 
「え、覚えてないの?」
 
 
 
急に女が焦り始める。
 
 
 
浩二
「いや、すみません…
 どこで会ったような
 気はするんだけど…
 
 一体どこで・・」
 
 
 
「ちょっと信じられない!
 ○○って現場で収録して
 その後飲みにも行ったよね!」
 
 
 
・・・飲みにだけじゃ
ないんだろうね。
 
 
 
浩二
「あー・・
 その現場はわかりますけど
 ・・どのくらい前ですか?」
 
 
 
「1年くらい前だよ!」
 
 
 
浩二
「1年前・・・
 
 あっ!A子ちゃん!」
 
 
 
「そうそう!
 あーー、焦ったー
 忘れられたのかと思ったー。」
 
 
 
浩二
「いや、全然雰囲気違ってるから
 誰かわからなかったんだよ。」
 
 
 
いや、それ本当かい?
たった1年前に、
収録や飲みにまでいった人を
思い出せないって・・
 
 
 
 
「あの時期、
 結構連絡したのに
 なかなか返信なかったからさぁ。」
 
 
それはね、
浩二がもうあなたに
興味が無くなったからだよ。
 
 
 
浩二
「仕事が色々忙しかった時かな。」
 
 
 
いや、
 
 
結婚のことで
バタバタしてた時でしょ。
 
 
 
 
「でも、、」
 
 
女が何か言おうとして
私の顔を見てやめた。
 
 
 
やっぱり
何かあった仲なんだろうし
女性側はもっと他に
言いたいこともあったのだろう。
 
 
 
「ひとまず今日は私も
 もうここ出るから、
 
 あとでまた連絡する!」
 
 
 
 
 
いや、女よ。
 
 
もし私が彼女だったらどうする。
 
 
 
そんな人の目の前で
連絡するとか言うの?
 
 
 
浩二
「あー。うん、わかった。」
 
 
 
 
 
っておい。
 
 
浩二も、おい。
 
 
 
今あなたはここに
なんの相談で私を呼んでるの?
女関係で揉めたからでしょ?
 
 
この非常識な時間と空間と人に
イライラしてしまう。
 
 
 
 
しかしこの男は
どれだけの女性に
手を出してきたのだろう。
 
このミニスカートも
奥さんとも琴美ちゃんとも
全くタイプが違う。
 
と同時に、結局これだけの女性が
彼に惹かれているのだ。
 
 
 
 
その女性が去っていって、
浩二が私に、
またすみませんと頭を下げた。
 
 
・・・いったい何の
時間だったんだろう。
 
 
 
 
その前に、
何話してたっけ・・・
 
 
よくわからなくなってきた。
 
 
 
 
「浩二さんは・・
 タイプってものがないんでしょうか。」
 
 
浩二
「そんなことありませんよ!」
 
 
「いや、今の見る限りでは
 見境ないです。
 さっきの女性もきっと
 ちょっとした関係が
 あった方ですよね?」
 
 
浩二
「・・そうなりますね・・」
 
 
 
ダメだ。
 
 
 
もう、お手上げ。
めんどくさい。
 
 
この人と、話し続けたくない。
 
 
 
 
だから、思った。
 
 
思ったから、言った。
 
 
 
 
「浩二さん。
 
 もう、今ここで
 
 奥さんに電話してください。」
 
 
 
 
 
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