※今回のお話は、人物が特定されない為に年齢も時期も全てフェイクで書いてゆきます。過去のお話です。
登場人物
琴美ちゃん・・今回の主人公。30歳のヘアメイクアーティスト。
浩二・・・30代のお笑い芸人で、琴美ちゃんの彼氏。最近売れてきた。
浩二の妻・・浩二の携帯から、琴美ちゃんの他に2名の浮気相手を見つけ、いても経ってもいられない。現在妊娠中。
エイジ・・パンダの20年来の友人。女優・モデルさんを手がけるヘアメイクアーティスト。琴美ちゃんが所属する美容室のオーナー。ヒゲマッチョな男性と猫っぽい女子と観葉植物が好き。
※このブログは様々な女性の人生の一部を、私が本人に変わって書いています。
よろしければ他のシリーズも合わせて、読んでみて下さい。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生
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※今朝10時にアップした記事ですが
間違えて昨日の日付になっていたので再アップします。
電話でしか
話したことのない浩二。
私の方は一方的に顔を知っているので
不思議な気分だ。
指定したお店は
私がもう10年以上利用しているお店。
出版関係の仕事をしている
幼なじみに紹介してもらって以来
1人でも来ていた。
一見入り口が全くわからないが
芸能人の方もお忍びで来ていたりして
口の硬い店員さんばかり。
ここならもしエイジが来れなくても
私にとってホームの場所なら
気楽なものだ。
なんて、
事前に予約を入れたあと
そのお店に向かいながら
私って一体
なんでこんなことしてるんだっけ・・・
ちょっと不思議な気持ちにもなって
だけどここまできたら
琴美ちゃんもエイジも
会ったこともない奥さんも
気がかりではある。
お店に着いたら
オーナーが出てきた。
オーナー
「パンダさん、待ち合わせの方
先に来てますよ。」
私
「あぁ…わかりました…」
笑顔?真剣な顔?
初対面の人に
こういう状況で声をかける際、
どんな顔をしたら良いのか
そんなどうでもいいことが
頭をよぎる。
私
「はじめまして。」
真顔にした。
浩二
「あ、パンダさんですか!
はじめまして!
このたびは申し訳ありません!」
ほんとにな。
と、いきなり私の性格
丸出しにするわけにはいかないので
私
「いえ」
と一言伝えた。
浩二はテレビで見るより
なんだかシュッとしていて
何も知らずに話せば
感じの良い男性に見えた。
浩二
「エイジさんは
仕事が押してるそうなので
終わったらこちらに
来てくれるそうです。」
私
「そうですか・・
それで・・今日ここに来てること
奥様はご存知ですか?」
挨拶もそこそこに、
もう本題に入りたかった。
浩二
「いえ・・仕事が長引くと言ってます。」
私
「・・携帯・・GPS付いてませんか?」
浩二
「え・・」
私
「いや・・勿論私の勝手な憶測ですけど・・
奥様は今もう
何も信じられない状態だと思います。
だからGPSがもしついていたら、
ここはテレビ局じゃないですから・・
そういう嘘の積み重ねが
奥さんを疑心暗鬼に
させていくのだと思いますよ。
わざわざ仕事なんて言わないて
普通に都内のバーに飲みに行くと
言えばいいだけじゃないですか。」
浩二
「誰と行くの?って
聞かれそうで・・・」
私
「…これまで・・
奥さんに聞かれて
困るような方とばかり
飲んでたんですね・・」
浩二
「…いや、まぁ・・はい、
そうなのだと思います・・」
あっさり認めるのね。
私
「それって・・
片手で数えられますかね。」
浩二
「…それは…
それ以上かと」
あ、へぇ。
私
「・・浩二さん。」
浩二
「はい。」
私
「いや。」
言おうとしてやめた。
まだ、会って5分だしね。
けど、ここでだけ言います。
当時この場面で
言いたかったこと。
おーまーえーは
アーホーかーー!!!
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