※今回のお話は、人物が特定されない為に年齢も時期も全てフェイクで書いてゆきます。過去のお話です。
登場人物
琴美ちゃん・・今回の主人公。30歳のヘアメイクアーティスト。
浩二・・・30代のお笑い芸人で、琴美ちゃんの彼氏。最近売れてきた。
浩二の妻・・浩二の携帯から、琴美ちゃんの他に2名の浮気相手を見つけ、いても経ってもいられない。現在妊娠中。
エイジ・・パンダの20年来の友人。女優・モデルさんを手がけるヘアメイクアーティスト。琴美ちゃんが所属する美容室のオーナー。ヒゲマッチョな男性と猫っぽい女子と観葉植物が好き。
※このブログは様々な女性の人生の一部を、私が本人に変わって書いています。
よろしければ他のシリーズも合わせて、読んでみて下さい。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生
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エイジから日中に電話が鳴るなんて
本当に珍しいことだった。
この着信の頻度が、
緊急性を示している気がして
少し焦ったが
ついでにLINEを確認したら
そこにエイジからの
メッセージが入っていた。
エイジ
「今日琴美ちゃんが
無断欠勤してて。
こんな事
この10年で初めてだよ。
昨日のことで
なんかあったのかな…」
このメールに気づいたのは
エイジから連絡が来て
2時間経っていた。
私はすぐにかけ直したが
エイジは出なかった。
エイジだって普段から
仕事が忙しい。
そこに琴美ちゃんの無断欠勤なんて
きっとそのフォローや対応で
てんてこまいだろう。
私
「気づかなくてごめんね。
琴美ちゃんと連絡取れた?」
私は急いでそれだけ返信して
仕事に戻ったが
その2時間後
またエイジから電話が鳴った。
すぐに出ると
いつも冷静なエイジの声が
慌てていた。
エイジ
「パンダ・・琴美ちゃんが
大量に薬飲んでて、
病院に運ばれた・・」
私
「え・・・」
一気に体から
血の気が引いたのがわかった。
エイジ
「最初に言うけど
命に別状はないって。
薬の種類も量も
命に関わるものじゃないって。」
まずは、ホッとしたのが
正直なところ。
けれどこんなことって・・
私
「それで、どうして琴美ちゃんが
薬飲んだってわかったの?
誰が見つけたの?」
エイジ
「琴美ちゃん・・
昨日店内では
諦めた様子で話してたのに
昨夜あれから浩二さんと
色々LINEのやりとりをしてたみたい。
それで朝になって
LINE電話しながら
もう死にたいって言って
薬飲む様子を伝えたらしい。」
私
「それって・・」
エイジ
「浩二さんもこんな事
本気でやるつもりないって
わかってたらしいけど
それでも急いでマンションに行って
管理人室に電話して
開けてもらったら倒れてたって。
多分浩二さんに
かまって欲しかったんだと思う・・」
私
「…なにそれ・・」
聞きながら安堵以上に
琴美ちゃんに対して
いろんな気持ちが湧き上がってきた。
一歩間違えたら
最悪の事態になるところだった。
私はその時、
琴美ちゃんのことを
殴りたくて
抱きしめたかった。
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