※今回のお話は、人物が特定されない為に年齢も時期も全てフェイクで書いてゆきます。過去のお話です。
登場人物
琴美ちゃん・・今回の主人公。30歳のヘアメイクアーティスト。
浩二・・・30代のお笑い芸人で、琴美ちゃんの彼氏。最近売れてきた。
浩二の妻・・浩二の携帯から、琴美ちゃんの他に2名の浮気相手を見つけ、いても経ってもいられない。現在妊娠中。
エイジ・・パンダの20年来の友人。女優・モデルさんを手がけるヘアメイクアーティスト。琴美ちゃんが所属する美容室のオーナー。ヒゲマッチョな男性と猫っぽい女子と観葉植物が好き。
※このブログは様々な女性の人生の一部を、私が本人に変わって書いています。
よろしければ他のシリーズも合わせて、読んでみて下さい。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生
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エイジは目が点だった。
奥さんに
琴美ちゃんとのことは誤解だと
そう言っている浩二。
今、目の前にいるのは
さっき琴美ちゃんに
一緒に着いてきて欲しいとまで言っていた
その男と同一人物?
何これ。
しかも驚くべきことに
そう言われた奥さんは
ちょっと納得しかけている。
え?え?
どうして琴美ちゃんも奥さんも
こんなにこのバカな男の言葉を
信じようとしているの?
って言うか浩二
ここに琴美ちゃんが一緒に来たら
どうするつもりだったの?
そもそもここに一緒に来ることは
エイジが止めるであろうことも
もしや想定済みだったとか?
・・そこまで考えられるわけないか・・
それにしても
・・・このまま奥さんを返せば
確かに今日のところは
お店で騒がれる必要もないけれど
この先ずっとこんな
バカな男の言い訳に
奥さんや琴美ちゃんが振り回されるの?
それでいいの?
エイジはいろんなことが
頭をよぎった。
浩二の奥さん
「じゃあ私は
琴美さんと会わなくていいのね?」
いや。
浩二
「いいよいいよ、
こちらも仕事中だし
お店に迷惑かけるだろう?
この後一緒に
ランチでもして帰ろう。」
おい。
浩二の奥さん
「・・そうだけど・・」
奥さんは
すんなり帰るそぶりでもなかった。
琴美ちゃんと話したことが
引っかかっていたのだろう。
というわけでここは
さすがというか
やっぱりというか
私の友人。
そして、男心と乙女心を
同時に併せ持つエイジ。
彼の心の中にあった
お節介スイッチは
ONに。
エイジ
「あの、誤解が解けたとのことなら
最後にうちのスタッフが
お見送りさせていただきます。」
得意の営業スマイルで
ニッコリ微笑んだ。
浩二
「え?・・いや、それはほんとに
お忙しいと思うのでいいですよ。」
エイジ
「いえ、お見送りだけなので。
それにうちの入り口って
段差になっているので
妊娠中の奥様には危ないですしね。
さっき浩二さんが
奥様のところまで一緒に行こう
と声をかけたスタッフを呼びますね。」
浩二の奥さん
「一緒に?
・・浩二、どういう意味?」
エイジはその2人の会話を
最後まで聞かず
琴美ちゃんを呼んだ。
狭い店内。
エイジが声をかけると
琴美ちゃんがすぐにやってきた。
琴美ちゃん
「…初めまして・・」
浩二の奥さん
「・・あ・・琴美さん、ですよね。
初めまして。
浩二の妻です。」
この後の展開がどうあれ
きっとこれからそれぞれに
浩二だけの言葉を聞くより
もうこれが1番、得策なのだ。
エイジはそう、自分を信じた。
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