※今回のお話は、人物が特定されない為に年齢も時期も全てフェイクで書いてゆきます。過去のお話です。

 

登場人物

琴美ちゃん・・今回の主人公。30歳のヘアメイクアーティスト。

浩二・・・30代のお笑い芸人で、琴美ちゃんの彼氏。最近売れてきた。

エイジ・・パンダの20年来の友人。女優・モデルさんを手がけるヘアメイクアーティスト。琴美ちゃんが所属する美容室のオーナー。ヒゲマッチョな男性と猫っぽい女子と観葉植物が好き。

 

※このブログは様々な女性の人生の一部を、私が本人に変わって書いています。

よろしければ他のシリーズも合わせて、読んでみて下さい。

 

シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』

シーズン2 武田さんの芝生 

『妊娠発覚。彼氏と思っていた人は既婚者だった。』

シーズン3 紀子さんの芝生

『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』

 

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琴美ちゃんから発せられる
言葉の端々から
奥さんへの対抗意識が見える。
 
会ったこともないのに。
 
 
だけど同時に私にも
会ったことのない浩二に
怒りが湧き上がる。
 
 
そもそも彼が琴美ちゃんや
周りの女性を
騙すような行動をしなければ
発言をしなければ
 
琴美ちゃんだって浩二のことを
ただのお客様としか
思っていなかったのに。
 
 
こうして騙し続ける人がいる限り
人を好きになった感情を
誰かが止めることなんて出来ない。
 
 
 
「琴美ちゃんは、
 彼とどうなりたいの?
 
 こういう男はきっと
 誰か一人に決めて
 生きていくのは難しいよ」
 
 
 
琴美ちゃん
「どうなりたいとか…
 そこまではまだ
 考えてないんですが…
 
 とにかく彼を支えてあげたいし
 存在として
 側にいたいんです。」
 
 
 
これが独身二人の話なら
パチパチ大喜びなのに…
 
 
 
 
その日はこんな話で
美容室での時間は終わった。
 
 
琴美ちゃんとは
ここで言葉を交わす仲
 
それから1ヶ月の間
私は琴美ちゃんのことを
殆ど思い出すことなく過ごしていた。
 
 
 
ある日私は
エイジと飲みに行った。
彼は昔から仕事に情熱的で
その話を聞いているだけで
本当に勉強になる。
 
そんなエイジは普段
人の噂話などしないが
珍しく琴美ちゃんの話をはじめた。
 
 
エイジ
「あの子、最近心配なんだよね」
 
 
「琴美ちゃん?やっぱりまだ
 例の彼と別れてないの?
 
 心配って、
 仕事に支障があるとか?」
 
 
 
エイジ
「いや、彼女は仕事に対しては
 手抜きもなくて
 ちゃんとやってるけど
 
 たまにすごく顔色悪かったり
 急に明るかったり
 精神的に乱れてるような
 そんな気がするよ。
 
 パンダ以外で
 お客さんと彼の話をしてるの
 見たことないから
 
 こっちからプライベートのことを
 とやかく言える感じでもないし
 あえて聞いたりも
 してないんだけどさ。」
 
 
「じゃあ来週またお店に行くから
 聞いてみるよ。」
 
 
 
エイジ
「ありがとう。
 
 変なことにならなければ
 いいんだけど…
 
 琴美ちゃんは熱中すると
 のめり込みやすいから…」
 
 
エイジはきっと
何かを感じているのだ。
 
多分きっと、このままではいけないと。
 
 
 
 
その翌週、私は美容室に足を運んだ。
 
 
 
琴美ちゃん
「パンダさーん、
 待ってましたよーー!!」
 
 
その様子は
お客様としての私を
受け入れると言うより
何かを話したそうな感じだった。
 
 
「あの話でしょー
 私も気になってたの。
 
 何か進展あった?」
 
 
琴美さん
「なんかって言うか
 
 ・・・その後浩二さんとは
 仲直りして
 (おっしゃる意味がよくわからない)
 
 普通に付き合ってたんですが
 (本当によくわからない)
 
 また奥さんから連絡があって
 いい加減に別れてくださいって
 言うんですよ。」
 
 
 
「・・そりゃあ奥さんだから
 言うだろうに。」
 
 
 
琴美ちゃん
「でもそれを奥さんが言うの
 おかしくないですか?」
 
 
 
「……えっと。
 
 
 おかしくない。(キョトン)」
 
 
 
琴美ちゃん
「だって
   浩二さんが私と別れたかったら
 浩二さんが私に
 話すと思いませんか。」
 
 
 
「あ、まぁ
 ・・うん、まぁそうだけど。
 
  だけどそう言うの言わない人だから
 奥さん以外にも何人か
 付き合っているような人なんでしょ?」
 
 
 
話が噛み合っている気がしないまま
私はただ
突っ込むしかなかったが
 
 
 
 
琴美ちゃん
「しかも奥さん今
 
 妊娠してるって
 言うんですよ。」
 
 
 
「はい?」
 
 
 
あぁ、琴美ちゃんはもう
 
 
 
琴美ちゃん
「子供を
 武器にするの
 
 ずるくないですか?」
 
 
 
 
ぶっ壊れている。
 
 
 
 
鏡越しに
少し離れた場所にいた
エイジと目があった。
 
 
 
 
 
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