※今回のお話は、人物が特定されない為に年齢も時期も全てフェイクで書いてゆきます。過去のお話です。
登場人物
琴美ちゃん・・今回の主人公。30歳のヘアメイクアーティスト。
浩二・・・30代のお笑い芸人で、琴美ちゃんの彼氏。最近売れてきた。
エイジ・・パンダの20年来の友人。女優・モデルさんを手がけるヘアメイクアーティスト。琴美ちゃんが所属する美容室のオーナー。ヒゲマッチョな男性と猫っぽい女子と観葉植物が好き。
※このブログは様々な女性の人生の一部を、私が本人に変わって書いています。
よろしければ他のシリーズも合わせて、読んでみて下さい。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生
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私の旧友エイジの
可愛い後輩でもある琴美ちゃん。
私とは個人的な連絡先を
知るような間柄ではないが
それでも私が
毎月美容室に伺った際には
誰もいない開店前の時間帯に
ヘアカラーやシャンプーがてら
いろんな話をしたり
何度か飲んだりもして
とにかく仕事に情熱的で
明るい良い子だなと思っていた。
そんな琴美ちゃんがある日
彼氏だと思っていた浩二の
奥さんだと名乗る人から
連絡があったと
その一部始終を私に話しはじめている。
(シャンプーされている時も、カラー中に頭の上で
なんかの機械がくるくるしている時も
ずっと話している。)
琴美ちゃんは
謝るでも引き下がるでもなく
浩二さんが好きなのは私。
と、
奥さん本人に言ってのけた。
え、なにこれ。
はい。琴美ちゃん。
あなた奥さんに対して
どうしてそんな
訳のわからない
失礼な質問をしているの?
浩二の妻
「…あの…おっしゃる意味が…」
琴美ちゃん
「すみません…
失礼なことを言ってしまって・・
でも彼氏だと思っていた人の
奥様からいきなり連絡があっても
正直信じられないというか。
パニックというか。」
まぁ、そうね。
さっきはビックリしすぎて
頭真っ白でパニックだったから
変なこと言っちゃったかな?
それならまぁ・・100歩譲って
ちゃんとその気持ちを奥さんに話して
驚いたが故の咄嗟の言葉だったと、
もう一度あやま・・
琴美ちゃん
「奥様が私に電話をかけてこられた
理由はなんですか?」
謝らないのか!
むしろなんだか喧嘩腰!
浩二の妻
「なにってそれは…」
琴美ちゃん
「私に電話をするより・・
浩二さんがお隣にいるのなら
問いただしてみたら
いいと思うんです・・」
浩二の妻
「・・確かに・・
それはそうでしたね・・
ただ、私も一瞬パニックになったのと
浩二に問いただしても
本当のことを言わない可能性もあったので
辻褄が合うように
先に真相を聞いておきたくて
電話したのだと思います。
夜分にすみませんでした。
これから浩二を起こして
聞いてみたいと思います。
うちの浩二が
お世話になりました。」
そんな会話になり
このあとは電話を切ったらしい。
とまぁひとまず
ここまでのことを私に話して
琴美ちゃんは言った。
琴美ちゃん
「パンダさん、
なんかこの奥さん
ちょっと
イライラしません?
うちの浩二がって
奥さんのものでも
なんでもないじゃないですか。」
え?あれ?
なんだろうこの気持ち。
なんだか一瞬も
共感出来ない!
っていうかイライラなら
むしろ琴美ちゃんに向けて
感じる気持ち!
もうすでに私の心の中は
色々言いたい気持ちで
メラメラしているが
琴美ちゃんの話には
まだ続きがあるようなので
あともう少しだけ
話を聞いてみることにした。
琴美ちゃん
「その日の夜は
浩二さんに電話したとしても
奥さんが携帯持ってるから
意味ないと思って
何もしなかったんですが
次の日浩二さんから
連絡が来たんですよ。」
私
「へぇ・・
(そんなに興味がない。もはや無。)」
それで?とは
聞かなかったが
琴美ちゃんは続きを
どんどん話し始める。
私の頭の後ろで
なんかがくるくる回っている限り
(こんなやつ。)
この状況を避けられない。
こんな頭で
ダッシュでこの場を立ち去るなんて
面白いことできない。
琴美ちゃん
「パンダさんその内容、
みてくださいよー」
私は渋々
浩二からのLINEをみた。
浩二からのLINE
「昨日のことは聞いたよ。
急な電話で
嫌な思いさせてしまってごめん。
会って話したい。
琴美ちゃんと出会ったときは
もう結婚が決まってて
だけど俺たち
出会ってしまったから
・・俺はこれからも
琴美ちゃんに会いたいんだ。」
・・・なんかこれはもはや
結婚詐欺みたいな
手口にも思えてきてしまう内容だった。
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