<確約済みのアポイントの日時変更をお願いするメールの例>


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件名(例): 【ご相談】訪問日時の変更について


×××株式会社
マーケティング事業部 課長 
大井川 渡様


お世話になっております。電報堂エージェンシーの山田です。


大井川様に、折り入ってお願いがあり、メールをいたしました。

先日お願いしておりました、○月○日ご訪問のお約束なのですが、

その後、どうしても都合が悪くなってしまいました。

できましたら、ご訪問の時間帯を変更いただけないでしょうか?

→ ポイント①


私は以下の時間帯であれば、確実にご訪問が可能です。


<候補日時>
・2月23日(火)13:00-17:00 
・2月26日(金)10:00-12:00
・3月3日(水)終日

→ ポイント②


勝手なお願いと承知しておりますので、もしご調整つかなければ、

当初お願いしていた時間帯で結構です。

→ ポイント③


大変に恐縮ですが、ご検討いただければ幸いです。

何卒、よろしくお願いいたします。


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電報堂エージェンシー株式会社
営業部・第1課
山田 太郎
〒123-4567 東京都港区赤坂1‐2‐3
(TEL):03-3333-7777 FAX:03-3333-7788
(mail):
yamada.taro@xxx.co.jp
(URL):
http://www.xxx.co.jp
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【ポイント】

①用件をストレートに伝える。相手にとっては知る必要のない

情報であり、また「他の約束を優先するのか?」と勘繰られないよう、

特に変更の理由を明記する必要はない。


②二度の変更は絶対にあり得ないので、確実に訪問が可能できる

時間帯を明記する。単に「ご都合は如何でしょうか?」などとすると、

自分の都合の悪い日時の指定が来る可能性があるので要注意!


③やはり先の約束を最優先するのが原則。相手の都合も考慮する

ための一文。余程のことでない限り、訪問日時の変更は受け入れて

もらえるケースが多い。(自分が逆の立場なら応じてあげると考える)

どうしても変更してもらわざるを得ない状況(身内の不幸など)

であれば、それはストレートに伝えた方が良い。


メールは、「相手がいつ読むか分からない」という前提があります。


が、Outlookはじめメーラーによっては、「開封確認要求」という相手がメールを開いたことを確認できる仕組みがあります。


この開封確認、送った側からすれば相手がメールを開いたことが分かって便利ですが、メールを受け取った側はどのように感じるでしょう?


私個人としては、自分の仕事を監視されている感じがして、決して気分は良くありません。


7月11日(土)付け≪日経PLUS1≫に記載されていた、成人男女を対象としたインターネット調査によると、「メールでの開封確認要求」について次のような結果が出ていました。


● とても不愉快 ・・・184名

● やや不愉快 ・・・171名

● あまり気にならない ・・・106名

● 全く気にならない ・・・37名


ということで、7割近い人が、開封確認要求を「不愉快」と感じるようです。



メールの基本マナーとして、開封確認要求の機能は使わず、早めに相手からの返信が欲しい場合は次のような対応を心がけるべきでしょう。

○回答して欲しい期日を明記する。

○メールとは別に、電話でもフォローする。

○そもそもメールを使用せず、電話・対面での依頼をする。


先日、『メールの限界 』で、メールだけでなく、対面や電話でのコミュニケーションの重要性も伝えましたが、直筆の手紙も有効なコミュニケーション手段です。


メール全盛のこのご時勢に「えっ?」と思われるかも知れませんが、パソコンを使うのが当たり前だからこそ、人間味のある手書きの文章が生きるのです。


直筆の手紙と言っても難しく考える必要はありません。

例えば、相手に頼まれた資料を送る時などに、「スキャンしてメール添付」でするのではなく、「コピーした資料に便箋などに手書きしたメモを添えて送る」だけで、全然印象が変わります。


Wordなどで作った送付状よりも、一手間かけた手書きメモ。

相手に与える印象が大きく変わることは間違いありません!

是非一度、その効果を試してみてください。


「でも字に自信がない・・・」という方は、ボールペン字の通信講座 がオススメです。私もかつて就職活動の時に字に自信がなくて受講してみましたが、今では一つの武器になっています。



メールの達人 ~ビジネスメールの書き方集~


ここまで、分かりやすいメールの書き方、親しみやすいメールの書き方などをご紹介して来ましたが、コミュニケーションの手段としてメールは万能ではありません。


どんなに優れたメールを書けたとしても、やはり細かいニュアンスや感情は伝わらないので、次のような状況では、対面や電話でのコミュニケーションを優先させるべきでしょう。


1.急ぎの用件の場合

例) 翌日に迫った打ち合わせの時間変更のお願い

→ 必ずしも相手がメールを見てくれるという保証はありません。


2.お詫びやお礼を伝える場合

例) 資料送付が、約束の期日に遅れてしまう場合

→ 相手に誠意を示すために、きちんと口頭で伝えるべきです。

また、口頭で連絡を取ることで、善後策を協議することもできます。


3.複雑な用件の場合

例) 大事な会議資料の修正をお願いしたい場合

→ メールでは、細かいニュアンスや背景を説明するのに限界があります。理解にズレが生じないように、口頭で確認をするべきです。


4.近くにいる相手との簡単な用件の場合

例) お願いした資料を送ってくれたことに対する御礼

例) 翌日に迫った部内親睦会の先輩への出欠確認

→ 対象が一人で、一言で済むようなことであれば直接伝えた方が早く済むし、相手とコミュニケーションを取るきっかけにもなります。



場面・状況・相手に応じて、対面・電話・メールというコミュニケーション手段を適切に使い分けられてこそ、デキるビジネスパーソンと言えるのではないでしょうか?



<お客様への不誠実な対応に対するお詫びメールの例>


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×××株式会社
猪狩様


お世話になっております。
SOSコンサルティングの住間仙次郎です。


先程はお電話にて、失礼いたしました。

→ ポイント①


あらためまして、私の不手際により貴社に
多大なるご迷惑をお掛けしたことを、心より
お詫び申し上げます。

→ ポイント②


今回のミスは、私の不注意によるもので、
弁解の余地もございません。


今後は、こうした誤りのなきよう、また1日も

早く貴社の信頼を取り戻せるよう、誠心誠意、

貴社のサポートに注力して参りたいと思います。

→ ポイント③


今後とも、変わらぬご指導、ご鞭撻のほど、
よろしくお願いいたします。

→ ポイント④


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SOSコンサルティング株式会社
クライアント・サービス部
住間 仙太郎
〒123-4567 東京都港区赤坂1‐2‐3
(TEL):03-3333-7777 FAX:03-3333-7788
(mail):sumima.sentaro @sos.co.jp
(URL):
http://www.sos.co.jp
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【ポイント】

①お詫びの場合はメールだけで済ませるのではなく、

訪問、または電話で、直接伝えるのが鉄則。上記の例は、

電話でお詫びをした直後にメールでフォローをしたケース。


②まずは、素直に謝罪の意志を表わす。


③再発防止に向けての意気込みを心を込めて伝える。

具体的な再発防止策がある場合は、明記すると尚、良い。


④ご指摘を教訓として捉える、前向きな姿勢、気持ちを

相手に伝えられると良い。



ビジネスメールにおいては、やはり、簡潔さや正確さ、礼儀正しさが最優先されます。


その中で、どこまで「親しみやすさ」を出せるかは、相手との関係性次第であり、逆に、「親しみやすさ」を出して行くことで相手との関係性が深まることもあります。


ちょっとしたことですが、メールをやり取りする中で、私が相手との距離感を図るための試金石としていることがあります。



それは、宛先をわざと、“●●さま”あるいは“●●さん”と書くことです。


オフィシャルには、“●●様”が正しいわけですが、“●●さま”とひらがな表記 にすることで、相手に柔らかい印象を与えることができます。


これで相手からの返信も“●●さま”と返ってくればしめたもの。ちょっとしたことですが、心が通って一歩距離が近づいたことを実感できます。



コーチングやカウンセリングの世界で、傾聴の技法として、「ミラーリング」・「ペーシング」と言われるコミュニケーションの手法があります。


前者は、相手の姿勢や表情に対してまるで鏡に映ったかのように自分の動作も自然と合わせる方法、後者は、口調や声のスピード・大きさなど、相手の特徴に合わせて話し方を変えるというもので、いずれも相手のスタイルに合わせることで安心感を与えるというものです。



今回ご紹介した、“●●さま”表記もこれと似たような考え方と言えます。

「(笑)」「(悲)」「(怒)」などはビジネスメールでは使用すべきでない 、と以前に書きましたが、これも相手との状況次第では、距離を近づけるために有効です。


単調で事務的になりがちなメールのやり取りに、少しでも心を通わせる工夫。是非、皆さんもお試しください!



質問コーナー 』に以下の質問をいただきましたので、お答えしたいと思います。


> 添付されてきたパワポファイルを修正して保存したつもりが、どこかに行ってしまいました・・・。
> 結構、時間をかけたのですが、これってどうにもならないのでしょうか?

(Fitさん、ご質問ありがとうございます!)



せっかく作業したファイルが消えてしまった・・・。

皆さんも一度は同様のご経験があるのではないかと思います。


これは、添付されてきたファイルを開き、そのままの状態で編集して上書き保存した場合に、一時フォルダに保存されてしまうことによって起きてしまいます。


よって、このファイルを取り戻すには、この「一時フォルダ」を見に行けばよいのです。


方法は2つあります。


1.もう一度保存を試みる

どのファイルでも構わないので、メールに添付されたファイルを開いて、「名前をつけて保存」を試みてください。

すると、この一時フォルダが開き、ウィンドウの中に行方不明になっていたファイルが表われるはずです。

そこでそのファイルを右クリックしてコピー、デスクトップなど安全な場所に貼り付ければ、救出成功です!


2.ショートカットを作る

この「一時フォルダ」はOutlookの場合、以下のフォルダに該当します。

C:\Documents and Settings\ユーザー名\Local Settings\Temporary Internet Files\OLK***

(※***」の部分はユーザーによって異なります)


よって、このフォルダを開きに行けば良いのですが、このフォルダは通常表示されないので、ショートカットを作成しておくと良いでしょう。



行方不明のファイルを見つけたとしても、それは「一時フォルダ」にあるままの状態なので、安全のために早めに自分のよく使用するフォルダに移動しておいた方が良いでしょう。



質問コーナー 』に以下の質問をいただきましたので、お答えしたいと思います。


> メールを複数の人に同時に送りたい場合、宛名はどのように書けば良いのでしょうか?
(Kさん、ご質問ありがとうございます!)



絶対的なルールはありませんが、いくつか例をお示しします。
(宛名の書き方の基本的なルールは、『序文 』を参照ください)



例1)同一会社(丁寧な送り方)
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○○株式会社
取締役 XX様
商品開発部長 XY様
商品開発部 YZ様
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例2)同一会社(簡易式の送り方)
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○○株式会社
XX様、XY様、YZ様
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【観点】
例1)だと、例を失することはありませんが、少し冗長になります。
ある程度の関係性がある相手であれば、例2)の書き方で十分なので、多くの場合はこれで対応が可能です。
ただし、名前は職位が上の人から順番に並べましょう。



例3)複数会社の複数名
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◎◎株式会社
xx様、xy様
○○販売株式会社
yz様、zz様
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【観点】
宛先が複数会社の場合は、所属会社ごとに名前を列記するのが無難でしょう。この際、会社名は関係性が上の会社(親会社)を先に書くようにします。


自分が送ったメールを相手がいつどこで読むかは基本的に知ることができませんが、ある程度の関係性がある相手であれば、何度かやり取りしていく中で、返信の頻度、よくメールをする時間帯などが透けて見えてくることがあります。


その点を意識してメールの表現を少し工夫するだけで、「あっ、この人は私のことをよく分かってくれているな」という印象を相手に与えることができます。


シチュエーション例1)
早寝早起きを習慣としていて、必ず朝一にメールをチェックする人に
対して、前の晩にメールを送る場合
⇒ メールの書き出しを「いつも、お世話になっております」とするところを「おはようございます」とする。


シチュエーション例2)
夜遅くに残業している時に、相手から送られて来たメールにすぐ返信ができるような状況(相手がすぐにそのメールを見る可能性が高い場合)
⇒ 「今日もこの時間までお仕事でしょうか?いつも遅くまでお疲れさまです」と言った一言を付け加える。


シチュエーション例3)
転送設定をしていて、携帯でメールを確認することが多い相手の場合
⇒ 携帯画面上で見やすいレイアウトとなるよう、行間や一文の長さなどを調整する

視覚・聴覚情報が伴わないメールであっても、こちらの場面・状況が、ありありと頭に“映像”として浮かぶように具体的に描写することで、相手の内面に訴えることができます。


そのためには、会話や心理描写、擬音語・擬態語を文中に織り交ぜていくのが有効です。


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(文例1)
先日は、美味しいお菓子を頂戴し、大変にありがとうございます。
早速、社内で告知したところ、皆お腹が空いていた時間帯であった
こともあって、アッという間になくなってしまいました。


(文例2)
このイベントについては、質と量のバランスを如何に図っていくか
毎年頭を悩ませているので、今回のようなコメントをいただけると、
担当として心が救われる思いがいたします!
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この手の文章はとにかく数を積んで、ものにして行くしかありません。

あまり形式にとらわれず、自分の心情をストレートに表現するのがポイントです。



「●●さんとのメールは、いつも会話しているような気分になります。」


こんなことを言われるようになれば、しめたものです!