ビジネスメールにおいては、やはり、簡潔さや正確さ、礼儀正しさが最優先されます。
その中で、どこまで「親しみやすさ」を出せるかは、相手との関係性次第であり、逆に、「親しみやすさ」を出して行くことで相手との関係性が深まることもあります。
ちょっとしたことですが、メールをやり取りする中で、私が相手との距離感を図るための試金石としていることがあります。
それは、宛先をわざと、“●●さま”あるいは“●●さん”と書くことです。
オフィシャルには、“●●様”が正しいわけですが、“●●さま”とひらがな表記 にすることで、相手に柔らかい印象を与えることができます。
これで相手からの返信も“●●さま”と返ってくればしめたもの。ちょっとしたことですが、心が通って一歩距離が近づいたことを実感できます。
コーチングやカウンセリングの世界で、傾聴の技法として、「ミラーリング」・「ペーシング」と言われるコミュニケーションの手法があります。
前者は、相手の姿勢や表情に対してまるで鏡に映ったかのように自分の動作も自然と合わせる方法、後者は、口調や声のスピード・大きさなど、相手の特徴に合わせて話し方を変えるというもので、いずれも相手のスタイルに合わせることで安心感を与えるというものです。
今回ご紹介した、“●●さま”表記もこれと似たような考え方と言えます。
「(笑)」「(悲)」「(怒)」などはビジネスメールでは使用すべきでない 、と以前に書きましたが、これも相手との状況次第では、距離を近づけるために有効です。
単調で事務的になりがちなメールのやり取りに、少しでも心を通わせる工夫。是非、皆さんもお試しください!