ゆる農記『3』 拝啓、梅原真様 2017年3月号 | 迷子の大人たち 3

迷子の大人たち 3

~ニワトリノニワ 非公認ブログ~ 
テキトー経営者のエー加減農業日記(昔は) 最近 っぽくなくなってきた。意外とマヂメ?更生した?

ご無沙汰しており申し訳ありません。

 

例の毎月一回の梅原さんへの2月号ですが、大して面白くもないので割愛させて頂きました。いわゆる自主規制というヤツです。

 

なんて書くと今後ハードルが上がって増々更新しにくい状況に陥るというなんとも悪循環な・・・

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
梅原デザイン事務所  梅原 真  様 

 
いつも有り難うございます。
春ですね。まだ一向に暖かくない感じではありますが。春と言えばニワトリノニワの農場開園記念日が去る2月22日でした。今年で6周年になります。

 

そう、開園直後に東日本大震災が起きたのです。今のようにヒヨコから飼育しておらず、120日雛を導入したので震災の日には既に小ぶりの初玉がポコポコ生まれておりました。

 

そのこんもりとした、スーパーの卵には見られない生命力のある卵の充実ぶりに唖然として、自分がやろうとしていることに間違いはないと確信を深めたのです。


付加価値の高い農業。ちゃんとした食べ物。手をかけて大事に育む生命。機械化・工業化、大量生産の真逆の農業。それこそが抗生物質や農薬に対する耐性菌の問題や化石燃料枯渇などの未来に起こる食糧生産の問題を解決すると信じたのです。


当時は近くで同じようにこだわりをもって放し飼い養鶏をやっている農場の受託生産という約束があったので、販路に関して全く憂慮しておりませんでした。

 

が、初玉の時期を過ぎ、連休に差し掛かったところでまだ出荷の指示がないのでさすがにオカシイと連絡してみると出荷先の販売低迷を理由に急きょ販路が断たれてしまったのです。

 

5月の時点で貯金残高は20万円を切り一ヶ月分の鶏の餌代しか残っていない状態でした。販路安泰と思っていたのでギリギリ乗り切れたと思っていたのですが。


販路の確保必要なし。俺はなんてラッキーなんだ。といい気になっていたのですが慌てて自力でネットショップや地元のネットワークを駆使して販路確保に奔走するもののこだわりの生産方法が仇となり一個100円以上もする卵を置かせてくれるところは地元の産直市場くらいしかありませんでした。

 

勿論ほとんど売れません。そんな折、友人のお陰で梅原さんにラベルデザインを依頼できることになり、ご存知の通り半年後の2012年2月に梅原さんが取材されたNHKプロフェッショナルの反響に便乗して今に至る訳です。


梅原さんとの初ミーティングがあったのが2011年の夏。その同時期にインターネットで東京を中心に自然食品店を調べてしらみつぶしに営業をかけ、卵のサンプルと、上記のようなこだわりの生産方法をアツく書いた営業資料を送り続けました。

 

しかし東京でも一個80円くらいの鶏舎内での放し飼い、いわゆる平飼いの卵が置いてあるところがほとんどで、それもそこそこ売れているくらいとのことでした。

 

なのでニワトリノニワ(当時はねはんの里というナイスなネーミングでしたが)の卸値で一個100円以上もする卵に対する拒絶反応はご想像の通りです。

 

そもそも放し飼いと平飼いの飼育方法の違いが良く分かっていないし、その意味するところを理解する気もないようなお店ばかりでした。当時は一日200円で生活をしていたのでサンプルを送り断られる度に深く落ち込んだものです。


そんな中、唯一放し飼いの卵を検討しているという経営者がいるお店がありました。電話による直接の営業に対して、「うちもそろそろこういう卵を置こうと思っていたんだよね」とのこと。

 

サンプルと資料を送ったところすぐに連絡があり、「すごい卵だうちに置かせてほしい」と2011年の10月から販売をスタートすることになりました。

 

現在のニワトリノニワの販売先はほとんどがNHKプロフェッショナル放送後に開始した取引先ばかり。放送前に放し飼いの卵の価値を分かってくれたのはこの自然食品店と、主に楽天ショップで卵を販売してくれている株式会社バサラスター(水野さん)の二社だけ。

 

で、その一社が御茶ノ水にあるGAIA(株式会社がいあプロジェクト)という自然食品店さんなんです。放し飼いの卵の価値をすぐに理解してくれたのが代表取締役の清水仁司さん。清水さんは「GAIAのまかない日記帖」という著書もあります。

 

その清水さんから昨年12月に電話があり、1月にとある講演会で農業とデザインについて話をするので梅原さんとの話を確認させて欲しいとのこと。

 

清水さんとの付き合いを懐かしく思い出した経緯で上記のような農業に対する情熱というか姿勢を改めて思い出し、そう言えば丁度今頃初めて生まれた初玉を割り、そのこんもりとした生命力に感動していたことも思い出したのでした。

 

つい先週のこと。件のプロフェッショナルの撮影現場ともなった地元の産直市場、サンリバー四万十で春休みに合わせてメディアで紹介された商品の特設売り場を作るので御社を紹介するPOPを作ってほしいという依頼がありました。

 

梅原さんに絶対売れるようになる、と背中を押してもらう前から付き合いのある今回ご紹介した三つのお店は、たくさんではありませんが今でもずっと売れ続けております。

 

いいえ。売り続けてくれている、のですよね。

 

 

↓↓クリックして応援

農業・畜産 ブログランキングへ

生き方 ブログランキングへ