奥の院を2時間ほどかけて巡って時計はもう12時を回っていました。
お腹が空いたけど、夜に備えて軽く済まそうと、以前美味しかった肉屋で揚げているコロッケを食べに行こうと思ったら、残念、お休みでした。
高野山に飲食店はそれほどありません。
お決まりの、観光地にあるうどん屋さんか、逆に要予約の精進料理。
駅の方に行ったら何かあるかも?と思ったら結構距離がある上に、
小さなうどんやさんが一つあるだけでした。
でも、ゴマ豆腐のはいったうどんがとっても美味しかったです。
溶けないのかな。。。
夫はごま豆腐のはいったおそば。
薄からず濃からずの、薄い色のおつゆ、美味しかったです。
こんなチラシを見て気になってしまい、ちょっと離れているけれど行ってみることにしました。
にうつひめじんじゃ、と言う、女神さまが祀られている神社です。
昔は高野山参りの前にかならずここに来たのだそうです。
高野山で修行ののち僧侶になると、やはりここにあいさつに来られるそうです。
結論から言えば、自宅からなら先に、
今回みたいに天川からなら、帰りに、寄ればよかったのですが、
高野山から往復1時間半、と結構遠かったです。
天野、という地名のこの地に、
何と言うか・・・すごく暖かい空気の神社がありました。
駐車場も広く、トイレも綺麗です。
そして、こんな綺麗な小川を渡ると、
鳥居が見えて来まして、
この橋を渡って神様の世界に入ります。
かなり急!!!
二つ目の鳥居をくぐると、本殿です。
何もないぐらい田舎なのに、結構それなりに参拝客がいました。
小学生が社会科見学に来て、休憩時間で飛び回っていました。
自分たちの育った土地に、世界遺産があるということで、
地元の子どもたちは、神社についてとても良く勉強しているそうです。
そして、土地を離れても、祭などの時には必ず戻ってくるし、
定年を迎えたらUターンをする人も多い上、
移住希望者が、40名も待っていると言う・・・・
こんなのどかな場所なのに、過疎化していかないのだそうです!
それってたぶん、行政サービスとかが、充実しているのでしょうね!!!
天野、という土地だから、とても気になります。
私は旧姓が天野なのです。
その辺に商店もスーパーも見当たらないのに、移住希望者が次々集まって来るなんて、すごく気になります。
子ども達は、町が用意したスクールバスで帰って行きました。
さて、まだ3時には少し早いけれど、今宵の宿へ向かいます。
今宵は、宿坊に泊まります。
西禅院。
高野山にはたくさんの宿坊があって、旅館とほとんど変わらないホスピタリティの宿坊も多くあります。
オランダからいらした一家には、作務衣の女性が、流ちょうな英語で応対。館内の案内も、すごく親しげに説明、おしゃべりされていました。
私を応対してくださったのは、どうやら住職さんだったようです。
まだたぶん30歳前後、お若い方です。
上を見上げれば赤い籠があります。
この色で、ここのお寺の格式が高いことがわかるそうです。
お部屋は10畳ぐらいの広い部屋。手前にもう1室と、
洗面所も別にあります。
一応、特別室、になるようです。
縁側もあります。
庭園を案内していただいました。
突き当りは本堂で、これが大変美しい本堂でため息がでました。
ただし、撮影は禁止。残念。
暗かったけれど、庭園。
10日前まで雪が積もっていたので、雪焼けしてしまっていますが、暖かくなってくると、緑が濃くなって美しくなるとのことです。
さて、一服して、奥の院のお坊さんに教えて頂いた、「授戒」を授かりに、外に出ました。
目の前は壇上伽藍の根本大塔。
金堂の前の中門は
火災で消失してずっとなかったのですが、平成27年に再建。
この朱塗りの色はちょっと違いますね。
この色を創るのがとても大変なのだそうです。
さて、ここから徒歩5分ほど。
大師会館は、いろいろな法会などが行われる場所で、
ここで500円を払うと、受けられる授戒。
仏様の示された戒めの教えを、阿闍梨さま、つまり、えらーーーいお坊様から直接預かる、というありがたーーーーい「修行」です。
ほぼ1時間おきに行われていますので、ぜひ!
この本堂で行われます。
私達は17時から。他に2組の夫婦が受けていました。
始まると30分真っ暗な中、ろうそくの灯の中で行われ、
「これをもって、お大師(弘法大師)さまの直弟子となりました」と言われて、えーらいもん受けちゃったな・・・・と責任を感じましたが、
授戒は、もっとも手軽?な修行方法として、ひろーく一般市民が受けることを勧められているものだそうです。
こんな感じで池の中にあります。
夕暮れ時で観光客も減り、静かな雰囲気です。
お店もほとんどが閉店。
壇上伽藍目の前にコンビニが1つだけあってビールなどを買いました。
宿坊の夕食は、精進料理。
むかーしむかしは、お粥とお味噌汁程度だったそうですが、
時代と共に大きく変化して、まるで旅館です。
部屋出しで、ちゃんとアルコールもいただけるのですよ。
ビールをいただきました。
ここのお料理は出しがとても上質で、シンプルで薄味ながら、とっても美味しいです。素材の味がとても引き立ちます。
箸袋。
反省しまくる。
そして、お風呂は大浴場。
とても新しくて綺麗。
シャンプーリンスも完備。
タオルに浴衣もあります。
4,5人サイズなので、混むと大変ですが。
夕食が5時半からでしたので、夜が長く、ちょっと壇上伽藍に散歩。
ライトアップされて静かな時間が流れています。
高野山の夜は長いのですが、西禅院は、小腹がすいても壇上伽藍を横切ると、高野山に1つしかないコンビニがあるので便利。
なんとも風情のある時間です。
この壇上伽藍にある、鐘は、
一日に何回か鳴ります。
夜9時とか、11時とか、20回ぐらい鳴ってました。
更に朝4時にも!!!!
一日で計108回付いているのであって、時間の数ではないとのことでした。
鐘の大きさは、「届かせたい場所に届く音が出る大きさ」だそうです。
ちなみに、ここの鐘は、大門から、奥の院に届くように、だそうで、
例えば、大事な集まりがあると、その30分前に鐘がなり、
それを聞いて、各お寺の僧侶が、出発の支度を始めるのだそうです。
ということで、午後10時ごろに寝たのに11時に鐘に起こされたりもしましたが、しずかな宿坊の夜は更けていきました。
つづく