「ヨーガスートラ」の読みをどうするか。
これは、デーヴァナーガリ文字と共に、ローマナイズしたものを添えるか、それともカタカナでフリガナをふるか、いずれにしても原語の発音を正確に記入することは不可能である。
今回の拙著「サーンキャとヨーガ」の第2部「ヨーガスートラ」(全詩句196)は、原文にカタカナで読みをふった。その際、参考にしたのは、クリシュナマチャルヤのチャンティングの書である。
「ヨーガスートラ」の各詩句は、サンディで連なっている。
例えば、第1章 第2句は、
योगश्चित्तवृत्तिनिरोधः । ヨーガシュチッタヴリッティニローダハ
この詩句の意味を取ったり、チャンティングをする際には、適当なところで区切った方がよい。
योगः - चित्त - वृत्ति - निरोधः । ヨーガハ・チッタ・ヴリッティ・ニローダハ
このように、今回の書ではドット(・)で区切りを付けた。勿論、クリシュナマチャルヤの書の通りではない。
サンスクリット語の詩句では、語と語のサンディの他に複合語の場合もあるので、どこで区切るかは、なかなか難しい。
さて、クリシュナマチャルヤのアーシュラムは、チェンナイにあり、当時、ガイドの方が探して下さって訪問することができた。しかし、映画「聖なる呼吸」(Breath of the Gods)で描かれたようなヨーガのアーシュラムではなくて、ヒーリングを受ける人たちが集まっていて、何だか治療院のような雰囲気だった。
だが、映画と同じだったのは、忘れもしない玄関正面にあるパタンジャリの像であり、これが最も印象に残っている。このような像は、インドの他の所では見たことがない。
(筆者 撮影 2001)
また、ここにあった「ヨーガスートラ」(サンスクリット版)は、既に持っていたので購入せず、代わりにクリシュナマチャルヤ自身の書いたシュローカ集(サンスクリット)を買ったが、これは実に素晴らしいものだった。
これを読めば、映画「聖なる呼吸」で見せた超人的なハタヨーガのヨーギーでありながら、ラージャヨーガを達成した聖者であることはすぐに分かった。(彼がサンスクリット大学の教授でもあったことは、確か映画でも紹介された)
彼の奥さんは、B・S・K アイエンガーの姉に当たる。また、訪れた時、
Sri Krishnamacharya The Purnacarya
A 108th Jayanti Offering
と題する彼の伝記が出版されていて購入できた。
内容は、映画「聖なる呼吸」と、ほぼ同じ内容である。
表紙を繰るとすぐ彼の写真があり、イーシャヴァースヤ・ウパニシャッドの次の詩句がある。
पूर्णमदः पूर्णमिदं पूर्णात् पूर्णमुदच्यते ।
पूर्णस्य पूर्णमदाय पूर्णमेवावशिष्यते ।
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