「真下塾」の生徒さんたちに話してきたことですが、ヨーガは、佐保田鶴治先生が、そうされたように次の世代の人に等しく伝えなければなりません。
地方に住んでいると、なかなか講演会や研究会に参加することは難しいですが、サンスクリット語の勉強と同じで自習することは可能です。
『ハタヨーガからラージャヨーガへ』と『サーンキャとヨーガ』に書いた通り、「ヨーガ」の反対は、「ヴィヨーガ」(ヨーガの状態から離れる)です。
これを元に戻すための学習がパタンジャリが「ヨーガスートラ」第1章 第2句で述べたヨーガの定義でした。
「ハタヨーガ」=「ヨーガ」ではありません。
ここで、読まれたらいいと思われるいくつかの書を紹介していきましょう。「翻訳の問題」で述べましたように意味不明の場合は、原書に戻ってみて下さい。大概解決します。
文庫本以外は、図書館でお借り下さい。わざわざ購入されるには及びません。
● 玉城康四郎著 『近代インド思想の形成』
ザッとお読みなればいいでしょう。
● 佐保田鶴治著 『ヨーガの宗教理念』
特に、インドの3人の聖者ラマナ・マハルシ、ラーマ・クリシュナ、
ヴィヴェーカーナンダについて述べられている箇所をお読みくださ
い。後の、ラジニーシ、シヴァナンダ等についての記述はありませ
ん。
(ヴィヴェーカーナンダ=ヴィヴェーカ+アーナンダです。
विवेक + आनन्द )
● Vivekananda: Karma Yoga, Bhakti Yoga, Raja Yoga, Jnana Yoga
ヴィヴェーカーナンダ著 『カルマヨーガ』、『バクティヨーガ』、『ラー
ジャヨーガ』、『ギャーナヨーガ』(各邦訳があります)
10巻から成る「ヴィヴェーカーナンダ全集」から4つのヨーガの道に
ついての部分を、それぞれ独立させて書にしたもの。
● ヘルマン・ヘッセ著、高橋健二訳『シッダールタ』
他の記事でも紹介済ですが、サーダナの道が示してあります。シッ
ダールタとゴーヴィンダ、二人のそれぞれ歩む道があります。
● シュレーディンガー著、中村量空他訳『わが世界観』
ヴェーダーンタ・ダルシャナと同じ視点に立つオーストリアの物理学
者。シュレーディンガー方程式、「シュレーディンガーの猫」思考実験
で有名。行き着く所(真理)は、聖者も最先端の物理学者も同じで
す。
● J.Krishnamurti: Meditations
クリシュナムルティ 『瞑想』(邦訳があります)
ご注意:『クリシュナムルティの瞑想録』ではありません。
瞑想についての理解が大変分かりやすく説明されています。
瞑想は、その状態が訪れることであって、「する」ことは出来ま
せん。
ポケットに入る、こんな小さいもの(11.5cm×7.5cm)もあります。
チェンナイのクリシュナムルティ・ファウンデーションは、静かなただずまいで、リスが樹から樹へと飛び移り平和にあふれたところでした。
しかし、何故、彼はアニー・ベサントやリードビーターによって、あのような育てられ方をしたのでしょうか。本当に気の毒です。
● ジュリア・クリステヴァ編著、中沢新一他訳『記号の横断』
初心者の方には、少し難しいかも分かりません。
○ マドレーヌ・ビアルドー「インドの言語理論」(高島淳訳)
どのようにして「ヴェーダ」は存在し、絶対的に信頼し得るもの
としてわれわれのもとまで伝えられてきたのか?(154頁)
ミーマーンサ、ニャーヤの各ダルシャナとバルトリハリの立場が述べ
られています。
○ P・S・フィオリサの「パーニニのサンスクリット文法」(高島淳訳)
サンスクリット語を学んでいる人が対象です。
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