知り合いの9割以上は...並以下だ! -75ページ目

地面を拒絶する温度

久しぶりに買ったコンバースの紐を通す。
 
指先に食い込む綿の感触が、
忘れかけていた潔癖な若さを思い出させて、
少しだけ吐き気がした。
これまでボクの足を甘やかしてきた。
 
ニューバランスの、
あの重力から逃げるようなクッション性も
バンズの無骨さも、
アディダスの記号的な安心感も、
クラークスの大人びた逃避も、
コールハーンの計算された快適さも、
すべて脱ぎ捨ててしまった。
 
ボクがこの窮屈なキャンバス地を選んだのは、
たぶん、自分を痛めつけたいから...
いや、単にお金がなかったから......
 
歩くたびに路面の硬さが直接脳に響く。
効率や正しさに守られた生活は、
ボクの歩き方をいつの間にか醜く太らせた。
 
薄いソール越しに伝わる地球の不快な凹凸。
冷たい。
痛い。
それでいい。
 
本当は、どの靴を履けば、
正しい場所に辿り着けるかなんて、
真実は誰にもわからない。
 
ただ、ボクは、
自分の足が地面を拒絶している温度だけを信じて、
このまま、
少しだけ足首の痛みを飼い慣らしながら歩いてる。
 
 
まだ、夜は明けないままでいい。