『絵本 地獄』と対を成す『絵本 極楽』です。
罰当たりな事この上もないですが、読み物で
あったり、『教育』という意味では地獄のほうが
よいかと考えております。やっぱりあの
『パンチの効いた』
絵がないと…。
『絵本 地獄』と対を成す『絵本 極楽』です。
ここでは仏教的な世界観で言うところの極楽浄土が
描かれます。
読み物としては『地獄』のような「パンチのある」絵や
鬼たちに責め抜かれて阿鼻叫喚の声を上げる
人間の描写は一切出てこず、(当たり前といえば
当たり前か)ただひたすら穏やかな絵と美しい歌を
歌う鳥や空を舞う楽器。
はたまた踊りを踊ったりする御仏の絵が描き
出されております。
罰当たりこの上もないことをいいますが、読み物として
圧倒的に面白いのは『絵本 地獄』のほうでしょう。
トラウマとなるリスクはありますが、情操教育の
テキストとしても『絵本 地獄』のほうが上でしょう。
ただ、地獄と極楽は一対の存在だと解釈しており、
極楽の王であらせられるアミターユス・アミターバ王の
おっしゃられるところの
「わたしが君をまもっているから、なにがあっても
だいじょうぶだ。どんなふうでもいいから、どこまでも
生きていくんだよ」
や
「極楽は、きみの心のなかにあらわれる。きみの心が
極楽の景色になるんだ。」
というお言葉は今の自分にズシーンと響くものが
ありました。やはり、どこにいても心の持ちようであると。
死後の世界がもし存在するとして、できることなら
地獄で鬼たちの責め苦に遭うこともなく、極楽浄土へ
行きたいなと思ってしまうのは、本当に浅ましい
ことだとは思いながらもそう願わずにはいられない。
神々しい絵図の世界を目にしながら、俗物の自分は
そんなことを思うのでした。
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絵本 極楽
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