ここに記されているのは親に虐待され、帰る所がなく、
売春組織で過酷な生活を強いられる家出少女たちの
衝撃的な生き様です。
読んでいてあまりのショックにしばらくの間、何も考える
ことができなくなっていました。
僕が東京にいたころ、新宿の歌舞伎町や、渋谷の
スクランブル交差点、池袋のIWGPなどで、おそらく
彼女たちとすれちがっているのかもしれない。
読んでいてそんなことを思ってしまいました。
その後、僕は物は試しに彼女たちが出ている掲示板を
覗いたことがありますがまぁ、出るわ出るわ。
『神』待ちの内容が。(ここでいる『神』とは家出少女たちを
セックスなどと引き換えに泊める男たちのことです)
彼女たちある意味ではたくましいとも言えますし、
なんともいえません。
でも読んでいて一番僕の心を引いたのは、街娼、
いわゆる『立ちんぼ』の娘で、頭のおかしくなった母親
代わりに自分が援助交際をして3人の弟たちの面倒を
見ている、という女の子の話でした。
彼女は学校で『ババ(関西弁で「ウンコ」)子』といじめられて
いましたが、僕は一瞬、読んでいて彼女のことが『聖母』では
あるまいかとさえ思ってしまうほどでした。
でも、こういう少女たちを利用する『悪い大人』もいるわけで。
重い読後感を残しました。