俵屋相伝 (受け継がれしもの) | 誇りを失った豚は、喰われるしかない。

誇りを失った豚は、喰われるしかない。

イエスはこれを聞いて言われた。
「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」
(マルコによる福音書2章17節)

世界でたった一つの宿として、燦然と輝く「俵屋」。

 

18世紀の初頭に創業したこの宿は、現在18室のみ。

 

この宿をひいきにしていた客の一人が故

 

スティーブ・ジョブズ氏で僕はこの宿の存在を

 

彼経由で知りました。

 

 

 

 

 

京都・俵屋―この宿の存在を知ったのは何を隠そう

 

故スティーブ・ジョブズ氏がお忍びで日本を訪れる際、

 

必ずといっていいほどここにとまっていたといういわゆる

 

「定宿」であったから、ということでした。

 

彼と日本との関係をうかがうエピソードとしては禅に

 

傾注して一時期は永平寺に出家して本気で修行を

 

しようと思っていたり、一見何の変哲もない信楽焼の壺を

 

真剣なまなざしで観賞し、持ち主にこれを手放す気は

 

ないか? と買収を持ちかけたりするというものがあり、

 

やはり彼はある意味で日本人以上に日本の「美」を

 

感じ取っていたのかもしれません。

 

この俵屋を彼が好んだというのも本書に収録されてある

 

部屋、庭、設え、骨董、料理等の写真に、季節感が醸し

 

出され見るものを圧倒させます。

 

やはり、渋好みの彼らしいな、と。そう思いながらページを

 

めくっておりました。

 

さらに、現在11代目を引き継ぐ当代を始め、働いている

 

従業員も登場し、彼らの一人一人がこの宿を守り抜くんだ、

 

という気概と誇りに満ち満ちていたことをこの文章を

 

書きながら思い出します。

 

老舗旅館として長い歴史を誇り、その伝統を維持しながらも、

 

他方で新しいものも取り入れ、また革新をなしていく。

 

一見矛盾するような試みを成し遂げているのは、本当に

 

すばらしいことであると思います。ネットで調べてみると、

 

基本的に泊まるのは2人からだそうで、1人でも泊れない

 

ことはないのですが、その分割高になってしまうの

 

だそうです。

 

いつか、自分もまた京都に行った際には、ぜひとも

 

1泊をできればな、と思いつつ―。

 

 

 

 

 

 

 

 

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