一言は絶対に外しません!!










   第一章
 「夕暮れの音色」





「あっちぃな・・・」

とめどない汗が噴き出す夏の炎天下。

その中を俺は一人で歩いていた。


担任の笹本に理不尽極わまりない決め方で決められた仕事を、律儀にやろうとする高村。


意外と上からの圧力に弱い主人公である。

「マジでやばいかも・・・」

目の前がグラグラするぞおい。

やっぱり私服のがよかったかもなぁ・・・。


「おっはよー!!キョー太郎!」

夏の暑さに負けないくらい、暑苦しい声がした。


「・・・・・・お前か」

首を回して声の主を認識する。


「お前って何よぉー!幼なじみなのにぃ!」

何が幼なじみだアホ。


心の中で悪態を付きながらも声の主、水瀬 菜摘へと声を掛ける。

「キモいぞその口調」


「ガーン!まさかの挨拶が罵倒!」


菜摘はつまり典型的な女子高生だ。

JKとか言ったけ?知らんがな。


「キョー太郎はどしてアチアチな炎天下を歩いてるのだー?」

「ほっとけアホ娘。お前こそ何で居るんだよ」


それを尋ねると、待ってました!とばかりに跳びはねながら応えた。

「補習!!」


「潔く言っても変わんねェぞ」

こんな感じで俺と菜摘は学校に向かって行った。









夏休みに入った為、活気のかけらも無い校門をくぐると、菜摘がこう切り出した。

「キョー太郎は夕暮れ時の幽霊って知ってる?」


「幽霊?怪談か?」

ちなみにキョー太郎と言うのは俺を菜摘が呼ぶ名前だ。

不愉快極まりないが。


「ま、そんなトコ。最近聞きはじめた話なんだけど・・・」


菜摘の話が抽象的過ぎて細かい部分は、はしょらせて貰う。


つまりこう言う話がしたかったらしい。

最近夕暮れ時に一人で校内を歩いていると、何処からかピアノを弾く音がするらしい。


気になって音の出所を探って居ると、音楽室の一つにたどり着くらしい。

中からは誰かの演奏が鳴り響き続く。


思い切って扉を開けると、演奏は止み、中に誰も居なかったと言う。


「15点だな」


「えぇ!?超辛口評価!?」

「俺は怪談信じないからな」


しょんぼりする菜摘。

俺と何年幼なじみやってんだよ・・・。


と、セルフツッコミしながら俺は下駄箱を目指した。





次回更新に続く
えー。どうも作者です。

最近は上げるのに時間が掛かって仕方ない次第です・・・。

しか~し!!私も遊んでいた訳ではありません!

数少ない読者から「載せると良いZE☆」と言われた作品を書いて居たのです!


え?書き途中だろうって?

分かってます・・・。そんなのは分かってます・・・。


し、しかし!書き出したら止まれないのです!!

飽き性だ。と言われれば否定しません。むしろ大いに肯定します。


だって・・・この作者ですよ?

枠組みさえ無い物語をノリで書く作者に飽きるなと言われましても・・・ね。


そんな事で新たな作品を掲載する所存であります。

と、言っても頼まれた方ではありませんがネ!









「放課後の音楽室」






Prologue


「で、あるためバイトをする時は・・・」

夏休み前日。


明日が夏休みだって言うハイな気分で登校してきた俺は、酷く後悔していた。


登校後直ぐに、眠くなる校長の話を三時間立ったまま聞かされ、教室に戻ると自分の席は直射日光をモロ喰らい鉄板の様になって居た。


それを我慢しながら座ったのはよかった。

が、直射日光は俺に降り注ぎ、身体中の水分を急速に減らしていき・・・。

「・・・・・・」


俺をただ屍に変えて今に至る。


「時に高村響。お前夏休みに学校来れるか?」


担任が夏休みの注意を終え、屍化した俺に質問を投げる。

「・・・(ぷらーん)」


口を動かすのもダルい俺は、手だけで肯定を示す。


「じゃあ毎日の植物管理頼め無いか?」


「・・・(ブンブン)」


「なるほど。頼んだぞ高村」


「何でだよ!?」

そんな俺をサラっと無視して担任は、夏休み前のHRを閉じた。








さて、俺こと高村響は理不尽な理由で植物管理を任された。


高校二年で植物管理だぜ?

正直、いや心底面倒だ。


しかし下手に担任、笹本薫(ドS)に逆らうのは実に勘弁したい。


「ハァ・・・。毎日じゃ無くても良いよな・・?」


ため息を付きながら俺は学校へ来る事を認めて居た。

そして、この時はまだ知るよしも無かった。


俺が夏休みに出会う数々の出来事って奴をな。







次回更新に続く









と言う訳で「放課後の音楽室」始動です!!
頑張る!!








  最終章

  「家族」


昔。

私が水狐と呼ばれ、忌み嫌われる前の話。


私は土地神の一端として生まれた。

当然家族なんて居るはずも無い。


しかしほんの僅かな時間だけ、私にも家族と言うものが居た。

最も、あいつが勝手に呼んでいただけだが。


私を奉る神社の神主だけが私を特別視しなかった。


『お前は神様でもましてや妖怪なんかじゃない』


『じゃあ何だと言うのよ。私は神様よ?』

『俺から見れば、お前はただの可愛い娘だよ』


ニカッ。と笑ったあいつの顔を見れなくて、私は顔を伏せた。


それは短い幸せの記憶。







「うおおおぉぉぉオオ!!」

「・・・っく!」


健の拳が私の顔を掠めて行く。


火の粉を纏った健は私の速さを上回って来る。

だから私は暴走するこの力を振るう。


「・・・ハァ!!」

私の周りから全て居なくなる様に。



楓が声を上げると、無数の光が空間に現れた。


まばゆい光を放って向かって来る光の鞭を受け止めようと・・・。

『危ない!!』


鋭い声が脳内を走り、グンッ!と身体が引かされる。

刹那、光の鞭が後ろにあった巨木を穿つ。


ボッ!と言う音を立て幹に小さな穴を開けた。

『受け止めようとしたら問答無用で穴だらけにされるわよ!!』

一時的に身体を支配したフローが感覚を俺に返しながら叫んで来た。


「厄介だな。その鞭」


「・・・・・・」


楓は応えない。

ただ虚無感だけが宿る瞳を向けるだけ。


「だから何だよ」


「・・・え?」

健が構えながら言葉を紡ぐ。

「当たれば死ぬだとか、お前が周りから離れる為に力を使うとか。そんなのはどうでもいいんだ。」


「・・・・・・」


「俺はただ、お前に笑って生きて欲しい。家族だからな」


ズグン。

「・・・っ!?」


『嫌・・・嫌ぁぁああアア!!』

楓が動きを止めた瞬間、空気を振動させた絶叫が響き渡った。


「うああああ!!」

楓から出現していた光の鞭が、宿主の身体を貫いた。


何本も身体を貫いて行く光。


「かえでぇぇえええ!!!!」


目の前の少女を救うために、俺は駆け出した。

一際眩しい光を放った瞬間。


ドン。と俺の胸を光が突き抜ける。


「・・・くそ・・が」

目の前を深紅で染めながら、俺は死んだ。



次回更新に続く