『ドゥリム パレス』 | 三匹の忠臣蔵

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日々是好日。
お弁当ブログだった「お弁当にはたまご焼き」からリニューアル。
映画レビューを中心に、日々思いついたこと、感じたこと、趣味のことを書いてます。

「未分譲・割引分譲」「手抜き工事・建築欠陥」「労働災害をめぐる遺族の葛藤」などの社会問題を織り交ぜ、孤軍奮闘する二人の女性が、底辺同士の潰し合いに巻き込まれていく姿を描いた物語。

やってることは、弱い者がさらに弱い者を見つける騒動で、「コップの中の争い」をリアルに描いてる。

ギルソン社の産業災害で夫を失ったヘジョン(キム・ソニョン)とスイン(イ・ユンジ)は、ともに真相究明のために戦っていたが、ヘジョンは合意金をもらい、一足先に戦線から離脱する。
しかしスインは、他の遺族たちと戦い続けている。

夫の命と引き換えに買った「ドゥリムパレス」で新しい人生を始めたヘジョンだったが、マンションには濁った水が出るという欠陥があり、ペットボトルの水で生活を始める。

修理を依頼するが、分譲元のドリーム建設はのらりくらりと逃げて、まともに相手にしない。

そんな中、ドリーム建設は在庫処分として、マンションを大幅値引きで売り始める。
これに怒ったマンションの住民たちは、バリケードを張り徹底抗戦する。

そんな時、ヘジョンを信じ、産業災害の戦線から離脱したスインは、彼女の紹介でドゥリムパレスの一室を購入し、引っ越してくる。

 

 


 

 

ヘジョンの息子ドンウク(チェ・ミニョン)は、途中で戦線離脱し合意金を受け取ったヘジョンに反発し、今も遺族たちを応援している。

スインは真相究明のためにヘジョンと共に戦っていたが、彼女の話に乗りマンションを購入したことで、やがて自分がヘジョンにそそのかされたと思うようになる。

ヘジョンは気軽に始めたマンションの仲介が住民にバレ、その立場が危うくなる。

さらにヘジョンは、濁った水が出る欠陥マンションにもかかわらず、1年もの間売れ残っている未分譲のマンションであるため、住民からは「マンションの資産価値が下がる」と我慢するよう言われる。

スインからは騙されたと言われ、入居者からはドリーム建設のスパイ扱いされ、信じていた息子や産業災害の仲間たちからは裏切り者扱いをされる、四面楚歌のヘジョン。

それでも、この局面をなんとか打開しようと奔走するが、すべて裏目に出る。
しかもドンウクが、自分の知らないところで救われていたことも知らず、立つ瀬がない。

韓国ドラマや映画でよく扱われる「マンションの資産価値が下がる運動」は見ていて辟易するが、よくこのネタでここまで話をまとめたと思う。
ただ、脚本は面白いけど、見ていて胸糞悪い最高の逆カタルシスを感じる。

特に入居者同士の争いは、いじめ・村八分のゴージャス版に見えて、見るたびに嫌な思いがする。

本来なら、もっと大きな相手であるギルソン社がいて、ドリーム建設もいる。
しかし、そいつらはだんだん画面の向こう側へ逃げていって、最後は被害を受けた側同士がコップの中で争い始める。

「会社 vs 遺族」が「遺族 vs ヘジョン」となり、「欠陥住宅を売った建設会社 vs 住民」だったはずが「既存住民 vs 新規購入者」になる。

ヘジョンとスインすら、同じ会社に夫を奪われた二人だったのに、いつの間にか「騙した女」と「騙された女」になっていく。

社会問題の中に人間を放り込んで、どれだけ嫌なことになるかをこれでもかと見せつける。
そういう意味では、こんな社会問題を堂々と映画にするあたりは韓国らしいと思う。

 

 

 

 

 

『ドゥリム パレス』