指定先に荷物を届けないとヘルメットが爆発するトラップに引っかかったスピード狂と、アイドルの命をかけたデリバリーアクション映画。
バイク便ドライバー・ハン・ギス(イ・ミンギ)が、未来化工ビルに荷物を届けると大爆発が起きる。
このことでソ刑事(コ・チャンソク)に疑われ、追われることになる。
ギスの次の荷物の集荷に向かうと、生放送時間に追われるアイドルのアロム(カン・イェウォン)を次の会場まで送って欲しいと言われ後ろに乗せるが、一通の電話がかかってくる。
相手は見知らぬ男で、「ヘルメットに爆弾を仕掛けた」と告げ、指定の場所に荷物を届けると解除すると言う。
仕方なくギスはアロムを乗せたまま、テマン開発社長キム・ジュチョル(マ・ドンソク)宛に荷物を届けるが、不在だったため室長(イ・ヒジュン)に渡すが、ここでも荷物が爆発する。
一方、マンセキャピタル代表アイカワ・マサアキ(チョン・ググァン)の来韓を控えるソマンキャピタル社長イ・ドヒョン(ユ・スンモク)は、同社の役員ワタナベ・ジュンイチ(キム・テウ)が失踪したことから、受け入れ準備と同時に行方を追う。
そこに爆弾を送りつけられたテマン開発社長キム・ジュチョル(マ・ドンソク)から怒りの電話がかかってくる。
そしてソ刑事は部下の警察官キム・ミョンシク(キム・イングォン)にギスの写真を見せるが、今じゃアイドルのアロムも含め、この3人はかつてバイクの暴走仲間で、アロムに思いをよすミョンシクにとってギスは昔からの恋敵だった。
ソ刑事は、未来化工に続いてソマンキャピタル、テマン開発も爆破された一連のテロにおいて、未来化工の前会長クァク・ハンス(ソン・ジェホ)と、前企画室長チョン・イニョク(ユン・ジェムン)も最初のビル爆破によって死亡したとみなしている。
事の発端は昨年、超小型爆弾を開発した未来化工が不渡りを出し、財政難に陥ったことで、マンセキャピタルに吸収合併されて、経営権を失ったことだった。
この騒動に関わったのがソマンキャピタルであり、裏でお金を用立てたのがマンセキャピタル会長アイカワ・マサアキ(チョン・ググァン)。
そして会社を内部から崩壊させたのがテマン開発キム・ジュチョル(マ・ドンソク)であり、M&Aを推進したのがワタナベ・ジュンイチだった。
しかし、会長クァク・ハンスと企画室長チョン・イニョクが死んだ理由は分からないままになる。
それどころか、彼らが本当に死んだのかさえ分かっておらず、新開発された高性能爆弾の行方も掴めていない。
事件の真相を追う警察と、アロムとギスの間が気になって仕方がないミョンシクが、それぞれの立場と思惑でギスを追うことになる。
背景にあるM&Aの陰謀も含め、ストーリーもサスペンス色が強く、意外にもしっかりした骨組みを持ってると思う。
そしてカーアクションだけでなく、バイクアクションがとにかく凝ってて、「よくここまで撮ったな」と感心してしまう。
「ちょっと長すぎないか?」と感じるほど徹底してて、サービス精神が旺盛すぎて頭が下がる。
知っている俳優も数多く出ていて、今じゃこれほど揃えるのって無理かと思ってしまうし、それでいて若い。
ほぼコメディーパートのキム・イングォンとカン・イェウォンが振り切ってて、感覚が麻痺したのか、カン・イェウォンの爆破シーンは何故か笑顔のように見えてしまう不思議さがある。
制作年を考えると、映画としての完成度はそこそこだと感じるが、作り手の情熱は伝わってくる。
エンドロールではスタント撮影の舞台裏が映し出され、スタントマンと俳優たちの信頼関係が滲み出てる。
生身のスタントにどれだけ本気だったのか、俳優も制作陣も、とにかくいい作品を作りたい一心でここまでやり切ったんだろうという、当時の空気みたいなものが伝わってきた。
CGが今ほど発達していない時代に「そこまでやるか」と思うほどで、それだけこの作品に懸けた情熱があったんだろうね。
