『鬼胎(クィテ) 黒い修道女』 | 三匹の忠臣蔵

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駆魔司祭が女、付魔者が男で男女が入れ替わった『プリースト 悪魔を葬る者』のスピンオフというか続編的作品。

担当医であるパウロ神父(イ・ジヌク)は、ヒジュン(ムン・ウジン)を助けることができるのは儀式ではなく、「医療だと」修道女ユニア(ソン・へギョ)と対立するが、ヒジュンの母(チョン・スジ)は、悪魔祓いしか息子を救う道はないと信じてる。

ユニアは薔薇十字団から派遣される神父を待っていてはヒジュンの命は助からないので、ローマにいる師匠キム・ボムシン神父(キム・ユンソク)に連絡して欲しい、ダメならチェ・ジュノ神父(カン・ドンウォン)を呼んでほしい、と教会に懇願する。
さらに早急に悪魔祓いをおこなうよう直訴するが、教会は世間体を気にして了承しない。

アンドレア神父(ホ・ジュノ)は、ヒジュンに憑依しているのは、過去の事例からイ・ヨンシン(パク・ソダム)と同じ、「十二の悪魔」の一人だと確信する。

末期癌の宣告を受けユニアは偶然、同僚の修道女ミカエラ(チョン・ヨビン)の秘密を知り、ヒジュンを病院から救い出すために協力を求める。

「叙階を受けていない修道女は駆魔をすることができない」という掟があるが、ユニアはヒョウォン菩薩(キム・グッキ)の除霊が失敗したことから、ソンエと共にヒジュンを病院から連れ出す決意をする。

アンドレア神父は除霊を失敗したことから悪魔が憑依しユニアに助けられるが、そのまま姿を消す。

薔薇十字団からは期待していたキム神父とチェ神父は戻らず、自分たちの手で何とかしろと言われ、ヒョウォン菩薩の協力も得られない。
それどころかパウロ神父が儀式を行うように言われ、聖具の提供も受けられず、ユニアとミカエラの祭儀の禁止される。

しかしユニアとミカエラはヒジュンを連れ出し悪魔祓いを行う場所に、聖具を手にしたパウロ神父が合流する。

こうして、西洋の悪魔祓いと、朝鮮半島に伝わる巫堂(ムーダン)の御札、祈祷師が参入した、新手の除霊がはじまる。

 

 


 

 

キム・ボムシン神父(キム・ユンソク)、チェ・ジュノ神父(カン・ドンウォン)さらにイ・ヨンシン(パク・ソダム)の名前が出てきて『プリースト 悪魔を葬る者』の続編というのは分かる。

 

しかし、前作の不穏な出だしとは対照的に、突然、ポリタンクに入った聖水をバサーっとぶっかける描写からして斬新というか、出だしから「一体何をやっとんねん?」と思った。

普通、聖水というと、ちっちゃな瓶に入ってて、二本指でシュッシュッやろ!
 

ちなみにポリタンクに純水を入れるとポリの匂いが移る。

しばらくすると消えるけど。

そして悪魔相手に「卑怯なやつ」と言ったり、終始喧嘩腰のユニアがやってることは除霊というより拷問に近い。

教会の理事らにたいしても喧嘩腰で、ストーリー全般で一人浮いていて、師匠である武闘派神父キム・ボムシン譲りの行動という設定とはいえ、観ていてやっぱり引っかかる。

よく「クラシック音楽を聴くと眠くなる」と言うが、あれって引っかからんから心地よくなって眠ってしまう。
逆に引っかかる演奏は落ち着きがないので気に障る。
そんな感じで、演じるソン・ヘギョが作品の世界観の中で異物にしか見えない。

おまけにプカプカとタバコばかり吹かしてるし。
別に「女性がタバコを吸うな」と言う気はないが、修道女がタバコを吸ってるなんて見たことないので、このシーンで素に戻され醒めてしまう。

悪魔が憑依したヒジュンも語り口調で口数が多く、憑依したゾンビと言うより、何かの実況中継に近い。
そのヒジュン相手に「名を名乗れ」と聞くだけの展開が静止画のように見えてくる。
下で祈祷師が頑張ってるのに上から消火器投げて、よう当たらんかったこっちゃ。

除霊は憑依してる悪魔の名前を特定しないと追い出せない。
だから「名前を言え」と迫るが、ただの喧嘩にしか見えないので、「大天使聖ミカエルへの祈りはどこ行ったん?」になる。

演出は『プリースト 悪魔を葬る者』を継承しててネズミも団体で行進するが、付魔者のヒジュンはイ・ヨンシンやウソンのような描写ではなかった。

男は絵にならんのかな。
そもそもユニアとミカエラも初めての悪魔祓いやろ、にしてはラストは広げ過ぎと違うかな。

前作『プリースト』では「脚本の穴を役者が埋める」と思ったが、本作では役者のソン・ヘギョ自身が作品の穴になってて、そこら中を掘り返したまま、誰も埋めない終わり方は爽快で良かった。
ユニアがなぜそこまでしてヒジュンを助けたかったのかも、最後まで分からんまんまやし。

 

 

 

鬼胎(クィテ) 黒い修道女