神様気取りのサイコパスと元精神病理学者との超能力バトルを描いたサスペンス・スリラー。
ヒネリがないので、 ネタバレありになってます。
FBI捜査官ジョー・メリウェザー(ジェフリー・ディーン・モーガン)は、連続殺人事件の捜査が行き詰まったため、元同僚の精神病理学者ジョン・クランシー博士(アンソニー・ホプキンス)に捜査協力を依頼する。
ジョーの相棒キャサリン・コウルズ(アビー・コーニッシュ)は、ジョンとの初対面で超能力を信じていないという。
逆にジョンは分析官を「金の亡者だ」と言い放つ。
この会話を横で聞いてたジョーは「ジョンが予見してキャサリンが分析する」といい、最高のチームだと喜ぶ。
早速、ジョンはキャサリンにその実力を見せつけることで信頼を得ることになるが、自分が誰かに試されてることに気づく。
犯人のチャールズ・アンブローズ(コリン・ファレル)は、自分がやってることは、苦痛を伴い死んでいくことを補助する慈悲殺人だと思ってる。
やがて、ジョンと対峙することで自分の過去と向き合うことになる。
作品を覆う空気感は『羊たちの沈黙』そのもの。
ジョン・クランシー博士が、「天才的な頭脳と能力で、FBIに頼まれて猟奇殺人犯をプロファイリング(予知)する」というプロットも、レクター博士を彷彿させ、このフィルターで見ることになってしまう。
ジョンは人に触れることで、その人の過去や未来をフラッシュバックのように覗き見ることができる。
早々にジョーとキャサリンの未来も見えてしまうが、初見挨拶での気の強さからキャサリンは死なないことが分かる。
ジョーとの会話でエリザベスという名前が出るが、ジョンは快く思っていないことが分かる。
チャールズと対峙することで、ジョンの娘エマ・クランシー(オータム・ダイアル)が不治の病を患っていたこと、ラストでエリザベス・クランシー(ジャニーン・ターナー)は別居した妻。
そしてチャールズは、ジョンの過去(娘を安楽死させたこと、その罪悪感)をすべて覗き見たことで、勝手にジョンに強い同族意識からシンパシーを抱き、ストーカーになった。
ぶっちゃけ、このあたりから後のストーリーも簡単に整理がついてしまう。
何よりアンソニー・ホプキンスの印象から役回りがレクター博士っぽいし、猟奇的な連続殺人で、事件現場の描写が『SE7EN』そのもので、プロットの骨組みもそのまま使ってるようで、デジャブ感が半端ない。
だから、ハンニバルシリーズと同じ様な展開を目指して、本作の後にジョン・クランシー博士の過去に焦点を当てた続編を作る。
彼がどのようにして超能力(予知能力)に目覚めたのか、みたいな。
それか、「チャールズが過去にジョンと何かしらの因縁があった」という、続編を作る気満々に見えたけど、調べてみると続編の予定は一切ないみたい。
ラストはキャサリンがジョンに「一緒にやろう」と声をかけるが、ここから急にライトな作品へと舵を切る。
『SE7EN』は神様気取りのサイコパスに警察が完璧に敗北したが、本作でジョンは人間としての選択をする。
生きたまま人間の頭蓋骨を開けて、脳を切り取ってフライパンでソテーして食べた『ハンニバル』の狂気とは違い、終わってみれば「普通の殺人事件のドラマ」に落ち着いてて、安全圏へ逃げたって感じ。
