夏の暑さと防災:韓国ソリプルの東屋と米国・日本の災害対応 | 三匹の忠臣蔵

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日々是好日。
お弁当ブログだった「お弁当にはたまご焼き」からリニューアル。
映画レビューを中心に、日々思いついたこと、感じたこと、趣味のことを書いてます。

連日の猛暑。
この時期になるとX(旧:Twitter)で拡散される画像がある。
きっかけといっていいのか、maikana(@maikana)さんのこの投稿に対し多くの「いいね!」がつき、今じゃ季節の風物詩と化している。

 

 

 

今年はmaikanaさんに呼応するようにいろんな人が「リポスト」している。

 

 

Dr. Japanese Studies(日本学)さんによる、韓国の信号機待機用のパラソルの話。
以下、引用します。そのまま。😀
最初に登場したのは2013年の銅雀区。
横断歩道で待機する際に暑いので、何かしらの影になるものを設置してほしいという要望に応えて、普通の大型テントを設置。
しかし、これは風に飛ばされたりと安全性に問題があるため、改善が要求された。

 

 


2015年、瑞草区で改善された形のテントが設置される。
名前は「ソリプル・ウォンドゥマク(서리풀 원두막)」。
ソリプルとは瑞草区の昔の名前なので「ソリプルの東屋」という意味。
これがヒットし、全国的に政策波及するようになった。今ではこの形から、さらに改善が続いている。

 

 


昔のタイプは手動で開け閉めするタイプ。
今でもこれが最も多く、公共勤労事業として行われているケースが多い。

 

 


最近のものは自動で開け閉めをする。温度と風に反応し開け閉めするタイプで、気温が15度以上が続くと開き、秒速7m以上の風が2秒以上持続すると閉まるシステムで、動力源は太陽光。
動画は大邱市のスマートパラソル。

 

 

 


行政安全府のパラソルの設置指針
案内表示を必ずつけるなど、何かあったときのための対策は各自治体が必ず行わなければならないようになっている。

 

 

 


費用は、2020年の記事によると、設置費用も含め、一般パラソル約200万ウォン(約20万円)、スマートパラソル約800万ウォン(約80万円)。
それでもあるとないとでは気温差が16度近く違うというニュースもあるので、韓国では全国的に広まっている。

 

韓国のスマートバス停の進化

今年はパラソルともう一つのトレンドが拡散されている。

それがバス停です。

冷暖房設備付きで、バスの運行状態が分かる情報システム。
ソウルにも増えつつあります。

 

 

 

 

こういったタイプの椅子だけでも、冷温機能付きです。

 

 


急に設置ができない自治体では氷を置いたりもしています。
写真は益山市のバス停。

 

 

 

益山市でも人通りが多い所にはスマートバス停が設置されてます。これは企業からの寄贈で設置されたケース。

 

 

番外編でこういったものも。

横断歩道の信号機に設置されてる「長寿椅子」。高齢者が横断歩道を渡る際に、信号を待つのがツラいため途中から急いで渡ろうとして事故につながるケースが多く、それを防ぐために設置された休憩用の椅子。別に高齢者だけじゃなくとも使える。

 

 

 

開発者は、「LED道路信号」を開発し、普及させた人でもあるユ・チャンフン警正。現役の警察官です。

 

 

 

米テキサス州の大規模洪:インフラの工夫と災害時の行政責任

 

米南部テキサス州で発生した大規模洪水で、米CNNは8日、州中部6郡で計108人が死亡し、約20人が行方不明になっていると報じた。
被害が拡大した要因の一つに気候変動対策の軽視が挙げられ、2時間足らずで水位と流速が増し、川が氾濫したが警報システムがなく、避難指示を出していなかったと明らかにした。

観光客も多く訪れていたのに警報システムがなかった。
これは裁判になるだろうと、調べてみた。

もし遺族や被害者が州や郡などを相手取って裁判を起こした場合、主に問われることになるのは「行政の過失(ネグリジェンス)」になるのではないか。
州や郡、市などの行政機関に対する責任として、以下の点が問われる可能性がある。

  • 警告義務違反
  • 避難指示の不作為
  • 安全配慮義務違反
  • 利用者への情報提供義務と避難誘導の責任
  • 気候変動対策の不備
私たちは労働の対価の一部として税金を納めている。
行政には法律を作り、それを執行するという強大な権力を「信じて託して」いる。
共同生活を円滑にするため、法律やルールに従うという形で、個人の自由を一部制限されることを受け入れている。
言ってみれば目には見えないが「社会契約」が存在するということ。

手本になっていたはずの日本の災害対応

 

日本も他人事ではないと思うが、災害に関して日本はこれまでいくつもの地震・噴火・台風などを経験し、法整備され構築されたスキームが存在する。
ただ、肌感覚として思うのが民間頼りではないかということ。

直近の能登の震災でも一向に復旧が進まないが、その多くの原因の一つに「ボランティア」がある。
他国を見ると、それこそ同じ時期に地震が起きた中国や台湾では行政が率先して救助し復旧している。

中国では「対口支援」というものがある。
これは大規模災害時において、被災した自治体と支援側の自治体がペアとなり、復興を支援する手法のことで、中国の四川大地震での復興支援策が起源とされている。
驚くべきはこの手法は、阪神大震災を参考に考えられたということ。
現地を視察した中国が震災復興スキームを作り上げたのに対し、同じ年月を経過しているにも関わらず、日本にはこのようなシステムは存在しない。

猛暑の季節に考える:災害対策の課題と未来

 

韓国とアメリカ、そして日本それぞれの暑さ対策や災害対策を比較するつもりはないが、目指す社会の違いを感じる。
韓国の先進的なバス停設備やスマートパラソルの導入は、画期的な猛暑対策として効果を上げ、人々の生活を守るための実践的な解決策を示している。
一方、米国テキサス州の大規模洪水では警報システムの不備が被害拡大の一因となり、行政の責任が問われている。
日本も災害対策の法整備は進んでいるが、民間頼りの面があり、行政主導のシステム不足が課題となっている。

それぞれの国が直面する課題への対応には、その社会が重視する価値観が表れている。
気候変動が進む中、私たちはどのような社会を目指すべきか、各国の社会のあり方と、目指す社会のあり方の違いを感じる。
暑さ対策ひとつとっても、市民の安全と快適さを最優先にする姿勢が、持続可能な社会づくりの第一歩だと思う。

ちなみに夏になるともう一つ拡散される「韓国が38度を超えたらしい」というニュースには注意しよう。
助詞に気を付けないと、戦争かと思ってしまうので。