靖国神社だけには行くなよ、最高の戦争エンターテイメント「血と砂」 | 三匹の忠臣蔵

三匹の忠臣蔵

日々是好日。
お弁当ブログだった「お弁当にはたまご焼き」からリニューアル。
映画レビューを中心に、日々思いついたこと、感じたこと、趣味のことを書いてます。

経験者は語る、岡本喜八と三船敏郎による最高の戦争エンターテイメント。
岡本喜八監督ということで、ディキシーランド・ジャズナンバー「聖者が街にやってくる」のマーチングで始まるオープニングに期待度が高まった。

小杉曹長(三船敏郎)と犬山一等兵(佐藤允)の掛け合いが戦争の悲惨さや理不尽さを、時にユーモラスに、時に鋭く描き出してる。
「これから死ぬんです、かわいそうに」「銃殺は10人で撃ち、目をつぶるから誰が撃ったかわからない、だから誰も殺人犯にならない」というセリフが先の展開を暗示していて、セリフの端々に戦争の本質や皮肉が込められている。
さらに「靖国神社だけには行くなよ、他の神様にいじめられるから」には笑ってしまった。神様と言っても明治維新前後なので一緒にされたくないわな。

こういったセリフを今の作品で入れるとどうなるか、考えたら更に笑えてきた。

慰安所は堂々と出てくるし、さらに明らかに日本人ではない訛りのある女性は、ヒロインの日本名を持つ朝鮮人慰安婦・お春。
実際に戦争を経験した人たちが伝える戦争モノには説得力がある。

バンドのメンバーをそれぞれ楽器の名前で呼ぶのが滑稽で面白い。
だがこれが終盤に向かって意味を持つ。
ジャズの軽快なジャズのリズムに乗せて始まる銃撃戦はパーティーの様で、やがてラストは一人残ったTpのアドリブでハモる相手もいなくなってしまう。
クロージングの「日本兵の戦争終わりました、仲良く平和を築きましょう私達は同じ種族、兄弟です!」の伝令には笑うしかない。
彼らは何のために戦い死んだのだろう。