“本物”と“偽物”の境界線を描いた韓国アニメ「我は神なり」 | 三匹の忠臣蔵

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「豚の王」のヨン・サンホ監督によるアニメーション第2作で、原題は「サイビ」。
サイビとは宗教団体にとどまらず、「本物のふりをした偽物」という意味らしいで、“本物”と“偽物”の境界と違いを問うた作品。

ダム建設で水没する村にキム・ミンチョル(ヤン・イクジュン)が久しぶりに帰ってくる。
彼はソウルの大学に合格した娘ヨンソン(パク・ヒボン)が学費としてためた貯金を使い果たし、暴力をふるう。
村は様変わりし、新興宗教が人々の心の隙間に入り込み支配していた。

ミンチョルは飲み屋で殴られたチェ・ギョンソク(クォン・ヘヒョ)を探すうちに、彼らの陰謀を知り、村人たちの金を狙うギョンソクの正体を明らかにしようとする。
しかし素行が悪いミンチョルの言葉に誰も耳を傾けず、逆に“悪魔に憑かれた男”の烙印を押されて相手にされない。
そして宗教に助けを求めたヨンソンをミンチョルが救出しようとする。

そら牧師を信者の前で殴ったらあかんし、バトってもあかんので住民の信頼をなくして当たり前。
牧師ソン・チョルウ(オ・ジョンセ)は詐欺師ギョンソクの正体を知らなかったが、警察が来たことで怪しむが、過去を脅され利用されることになる。
そのチョルウにヨンソンが恋心を抱くが、チョルウにとってはデジャブ。

教会(ギョンソク)は、ダムが沈む前にこの村に祈祷院を作って、村人が全員一緒に暮らせるようにすると言っているが、これってノアの方舟やん。
ここで条件が出揃い、原題サイビの「本物のふりをした偽物」がストーリーの本筋となる。

粗暴な行動を取るミンチョルは本物のふりをした偽物なのか、それともギョンソクなのか、チョルウなのか。
ミンチョルを素行の悪い荒くれ者に描くことと、チョルウはギョンソクの正体を知らない善意の第三者のように描かれているところに意味があるのではないか。

神父は自分のことを神の子と言うが、となるとラストは「悪魔対神の子の対決」になり、神父をどう見るのか、ミンチョルの言葉も問われてくる。
ということで、結末はそれこそ、本物のふりをした偽物に惑わされる感じで終わる。