仁川上陸作戦の陽動作戦として進行された長沙上陸作戦の実話を題材にした作品。
1950年6月25日、北朝鮮軍が38度線を越えて南侵。わずか1ヶ月で洛東江まで追いやられ、風前の灯状態に追い込まれた韓国軍は、戦況を打開するため、マッカーサーの指示のもと、軍上層部が無謀ともいえる陽動作戦を命じる。
そこで集められたのは、720余名の幼い学生たち。彼らは十分な訓練も受けることなく、装備も不十分で、わずかな食糧だけを持たされて戦地に送られる。組織された「遊撃隊」は名前こそ立派だが、実際にはただの「捨て駒」。
これを見て、日本の特攻隊と似ているなと思い、どこの国でも、若者たちの命を何だと思っているのか、と考えさせられますね。
これもまた、韓国の黒歴史の一つなんだが、自国の恥部を作品にする勇気は素晴らしいと思うし、負の歴史も含めて心に刻もうとする韓国民には頭が下がります。
日本は「関東大震災の朝鮮人大虐殺」すらなかったことにし、「はだしのゲン」をNGにしようとしているのだから、なおさら。
戦闘シーンでは弾が飛び交う緊迫した状況が描かれるが、この後にクロマイト作戦(仁川上陸作戦)が敢行される。現在も韓国の右派が北朝鮮に対して敵対心を持っているのも理解できるけど、当時の若者たちは、きっと戦争そのものと戦っていたのだろうと感じた。
イ・ミョンジュン大尉(キム・ミョンミン)の「名もなき幼い兵士たちに認識番号を与え、記録に残るようにして欲しい。」という言葉は印象的で、後に彼は名誉回復される。
ラストシーンでは、生き残った一人の男が荒れた海に向かって呟いた「お前たちは若いままだろ、年老いた俺に気づいてくれ」という言葉が心に残る。このシーンを通して、改めて戦争の恐ろしさを痛感させられた。
