前回のブログで少し触れたが、NHKの土曜ドラマの『The Long Goodbye』が、昨日最終回を迎えた。
全5話の放送だったのだが、久し振りに骨太のドラマで面白かった。
日本訳では、『長いお別れ』
原作は、米国のハードボイルド小説の第一人者、レイモンド・チャンドラー。
レイモンド・チャンドラーは、日本のハードボイルド作家にも多大な影響を与えた。
名探偵「フィリップ・マーロー」が主人公だが、この『The Long Goodbye』はチャンドラー作品の中でも、最高傑作と呼ばれる小説である。
今回は、「フィリップ・マーロー」役を浅野忠信が、見事にシリアスに演じきっている。
その事件の重要な鍵を握る友人役に綾野剛 、ミステリアスな人妻役に小雪 。
そして古田新太 、冨永愛、遠藤憲一、田口トモロヲの渋い面々が、脇を固めている。
1973年にロバート・アルトマン監督、主演エリオット・グールドでハリウッドで映画化された。
しかし、今回のNHKドラマも映画に引けを取らないほど、良く出来ていた。
ハードボイルドといえば、ハンフリー・ボガードが誰もが思い浮かべるほど代名詞のような俳優だが、『カサブランカ』でのイングリッド・バーグマンとの共演は素晴らしかった。
セピアカラーの映像もさることながら、ハードボイルドの醍醐味はその珠玉のセリフの数々。
『男は強くなければ、生きられない。
優しくなければ、生きていく資格はない』
これはレイモンド・チャンドラー作、名探偵フィリップ・マーローの名セリフ。
そして『カサブランカ』といえば、ハンフリーボガードが酒場でギムレットを傾けている時の会話。
女「夕べは、どこに行ってたの?」
ボギー「そんな昔のことは忘れた」
女「今夜、付き合ってくれない?」
ボギー「そんな先のことはわからない」
大学時代に『カサブランカ』を観て、このセリフにしびれた。
そして、自分でもどうしてもこのセリフを使ってみたくて、当時付き合っていた彼女に言ってみた。
するとしばらく沈黙のあと、返ってきたのは「はぁ~、バッカじゃないの?」
世の中には、ハードボイルドが似合わない男もいることを悟った・・・。


