

7/14
たった1年ぶりと言うのに、彼の吹く音楽は、大きく変化・進化していました。音色は随分と洗練され、昨年お聴きした時の印象とはかなり異なった印象を受けました。
プロコフィエフのソナタ、何の変哲もない、どちらかと言うと冷たい肌触りで以って淡々と進んで行くような演奏で、この曲の持つ面白さを聴かせると言うよりは、作曲家独特の音列・音符を丁寧に描いて行くことにより、この曲がどのような側面を持つ曲なのかと言う、彼なりの提示が良く出来ていた演奏。ピアノを弾かれた鈴木 華重子さんの連携も申し分なく、譜面が眼前に現れて来るような、いわゆる「アカデミック」とも言えるような演奏でした。アンデルセンでの涼しげな音楽も、プロコフィエフに続く音楽として、とてもまとまりの良いプログラミングでした。
後半のモーツァルトですが、意外にもルバートを多用、情感を表に出し、古典の曲と言う枠を超えるような、かなりロマンティックな演奏でした。終演後、ヴァイオリンを弾かれた西尾 恵子さんとお話させて頂きましたが、もちろんその指示はユ・ユアンさんからのものだったそう。曲の持つインティメイトな側面を、彼なりに際立たせたんでしょうか。演奏そのものは良くまとまり、曲そのものの良さを再認識されられました。第3楽章まで全て繰り返しをすると言う徹底した姿勢も、大きく評価したいですね。ウェーバーは初めて聴く曲でしたが、「魔弾の射手」などで聴かれるウェーバーらしい音節の繰り返しも聴こえ、チェロの伝田 正則さんの寄り添った演奏も相まって、これも聴き応えのある演奏でした。そして、大変レアな弦楽三重奏をバックにした「カルメン幻想曲」、これは文字通り「物凄い」演奏でした。ピアノに比べ、弦楽器はフルートの音色に親和性があり、当然4つの楽器の音が程良く溶け合い、弦楽器の皆さんとのコンタクトも十分、極上のアンサンブルとして、これまた大変楽しめました。アンコールのバッハも、彼の品の良さが十分に表れ、繰り返し部分でのアドリヴ・装飾音符も楽しめました。
ステージマナーも大変素晴らしく、彼の人間的な器の大きさを見た感じです。
これからは、世界中から引っ張りだこになるでしょうし、そう度々彼の演奏をお聴き出来ないとは思いますが、機会がある毎に神戸の地を思い出して頂き、また素晴らしい演奏を聴かせに、帰って来て欲しいものです。
7/13
今月、最も楽しみにしていた公演のひとつ。一年ぶりに、彼とお会い出来ました。
昨年行われた「第9回神戸国際フルートコンクール」で、最高位を獲得された、ユ・ユアンさんのリサイタルを聴きに伺いました。
コンクール時の記事は、以下の通り。
一次予選 https://ameblo.jp/magic1963/entry-12305106354.html
二次予選 https://ameblo.jp/magic1963/entry-12305113509.html
三次予選 https://ameblo.jp/magic1963/entry-12305114279.html
本選 https://ameblo.jp/magic1963/entry-12305114798.html
今日は、ピアノと弦楽三重奏を、自身が自由に組み合わせての、ボリュームたっぷりで、ヴァラエティに富んだ、今彼が吹きたい曲がこれでもかと集められたプログラム。特に、「初聴き」のウェーバーのトリオ、そして、大変珍しい弦楽三重奏を引き連れての4人での「カルメン幻想曲」が、取り分け「聴きもの」だったでしょうか。詳しい感想は、また後日追記したいと思いますが、一体いつになることやら・・・。
終演後、彼とお話したい聴衆でロビーは溢れ、今日は、おとなしく楽譜にサインだけ頂いて帰りました。ご一緒の写真は、昨年たくさん撮って頂きましたし。
ユ・ユアンさん、そして共演された皆様、本当にお疲れ様でした。

