音楽と競馬、思ったことを書いて行きます -41ページ目


音楽と競馬、思ったことを書いて行きます

神戸で行われるこのコンクール、もう13回目になるとは知りませんでした。それどころか、この施設や運営団体のことも、地元にいる音楽好きの私も、実は昨秋まで知らなかったんですよね・・・。若手と思しきピアニストが、録音審査を経て32人に絞られ、ここ神戸で2次審査に臨んでいます。曲は25分程度で自由にプログラミング出来ると言うことで、曲目も個性が試されますし、それ以上に難物なのが、非常に珍しい「ブリュートナー」と言うメーカーの楽器を使用していることです。会場と同じ楽器では練習出来ないのか、ペダルの感じがいつもと違うような感じ・・・など、戸惑っていた方もお見受けしましたし、繊細な音色が特徴(らしい)この楽器に合う選曲や打鍵なのかと言うことも上手に聴かせられるかどうかの大きな要素のように感じました。

午後の2コマ目から8人のピアニストを聴かせて頂きました。見覚えのあるような方もいたように思いますが、このコンクール、審査中は審査員も出場者もシークレットと言う建前になっていますが、審査員の中には存じ上げている方もいました。


聴衆にはエントリーナンバーと曲目が刷られた簡単なプログラムしか手元に頂けません。昨日のプログラムはこんな感じです。
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今日のプログラムはこれです。
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第2部と第3部しか聴けていませんが、プログラム・演奏ともに素晴らしいと「感じた」方がおひとりおられました。36番の方です。好みに合うと言うのもありますが、力づくで弾かなければならない曲が無く、ブリュートナーにとてもフィットしていました。ソナタ1曲だけと言う方もおられますが、ヴァラエティに富んだ選曲と言うのは、コンクールで印象付けるには大切な要素だと思いますし、その方のセンスも問われると言うことになります。36番の方は3曲プロ。古典・ロマン派・技巧込みのしみじみ系名曲、聴き応えがありました。特に、最後に弾かれた「献呈」、これは本当に息をのむ名演でした。タッチもペダルも素晴らしいし、とにかくピアノに向かう姿勢が良く、音楽を真剣に取り組んでおられるんだなあととても感心した次第です。技巧的なことはわかりませんが、彼女は間違いなく聴衆の心を捕える素晴らしい演奏をされたと自信を持って言えます。次いで印象に残った方は、8番と44番の方です。8番の方は、息を吸ったり吐いたりと言う音楽とは関係ない「異音」が目立ってしまい、そこがマイナスの印象でしょうか。ベートーヴェンの「月光」から始めるプログラミングは良かったですね。曲自体が良くないと、いくら良い演奏をしてもこういうコンクールでは不利ですよね。音楽はメリハリがあり、「場馴れ」している感じもあり、安心して聴くことが出来たピアニストでした。ペダリングが独特なのも印象に残りました。44番の方は、タッチが非常に特徴的・個性的で、レッスンを付けている先生がどういう方なのか知りたいなと思いました。曲も古典と技巧的な2曲の組み合わせで退屈感がありませんでしたし、非常に明晰な解釈で、この方がピアノで何をしたいのかが見えたような気がしましたが、他方、弾く時の姿勢が良くなかったのはちょっと気になりました。以上3人の方は、再び本選会で演奏を聴いてみたいですね。あとの5人の方は、コンクールと言う場におけるプログラミングに配慮が感じられ難かったか、演奏そのものに心を動かされなかったと言う感じでしょうか。あまりに難解で晦渋過ぎる曲ばかり並べられても、その方の一面しか見られないと言う感じがするんです。主催者からも「プログラミングは審査に影響する」ようなことが要綱書に書かれていましたし。また、演奏そのものに心がこもっていない印象の方もおられたのは、同じ音楽をする者としては残念でした。折角ここまで来られたのに・・・。ここまでは個人的な印象で、全く違うように思われる方もいらっしゃるでしょう。総じてレヴェルの高いコンクールだとは思います。


明日も聴きに行こうかとは考えていますが、これって聴くだけで結構大変なんですね。「ピアノばかり丸一日」と言うのは慣れていないものでして・・・。

こちら  の方のリンクで、拙者のブログを訪問して下さる方が、まだまだ多いようです。お顔も存じ上げない方なんですが、こういうつながりの凄さを知りました。


さて、第8回神戸国際フルートコンクールにつきましては、まだ本選のモーツァルト・四重奏のラップタイムからの考察が出来ていません。これは近いうちにさせて頂くことにして、今日は、このコンクール上位入賞者の皆さんのコメントが載っている情報誌を手にしましたので、これをこちらに載せさせて頂きます。



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こういう記事を読ませて頂くと、あのコンクール本選・受賞披露演奏会の時の様子を思い出しますね。受賞式の時に感じていたんですが、受賞された皆さんのスピーチが無かったのをとても残念に思っていました。なぜ皆さんの一言・一声を聞かせて頂けなかったのかなあと。お人柄を更に良く知ることが出来るきっかけになったと思うんですがね・・・。演奏でその全てを表現されたんだとは思いますが、会場で若い彼らの肉声が聞けると言うもの、こういうコンクールの楽しみの一つではないかと思ったんです。また、審査員の皆さんの講評もぜひ一言ずつ直接お聞きしたかったですよね。金先生のお話が結構長かったんで、授賞式の全体的な構成が、ちょっと勿体無かったんじゃないかと思い返しています。こういう運営に対しての要望は、今どちらにすれば良いのでしょうかね・・・。これから彼らの活動を注目して行きたいですね。四年後のコンクールも、余計に楽しみになりました。


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外山先生、82歳なんですね。とてもお元気で、指揮ぶりも以前振って頂いた時と全然変わらない。先生と27年ぶりに再会出来ました。先生をお待ちしていたこともあり、今日も遅くなりましたので、演奏会の感想含め、詳しくは明日書きたいと思います。



<追記>

大阪交響楽団は、尾高先生や外山先生のような大御所を呼んで下さるのはうれしいですね。まさか外山先生の指揮を、関西で拝見出来るとは思ってもいませんでした。

ちょっと気の毒だったのは、ピアノを弾かれた江口玲さんでしたでしょうか。外山先生にこの曲を振らせるのはちょっと・・・。特に第3楽章、オケの入りを大きく間違えて指示されてしまった個所が少なくみても2か所ありました。これには江口さんも焦ったでしょうね。江口さんのピアノですが、テクニシャンと言うことは置いておいても、音自体が非常に硬めで、音色の変化に乏しいのはどうなんでしょうか。また低音の鳴りがあまり良くなかった(力づくで音を出している・音が出て来ない・濁って聴こえると言うような言い方も出来ます)んですが、それは聴いた場所のせいなのか、ピアノ自体に問題があったのか(調律が良く無かったのか)、彼自身に何か問題があるのか、私には良くわかりませんが。特にそれは第1楽章の強音時に顕著に聴こえましたが、曲が進むに連れて多少解消して行ったのは幸いでした。曲への「入り込み」はあまり感じられず、表面的な感じもしましたが、それが彼自体のことなのか、それとも外山先生との絡みでそう感じたのか。合わせが比較的平易な第2楽章が最も良かったと言うことで、全体的に「協奏曲」にしてはちょっと残念な仕上がりだったような気がします。カデンツァは今まで聴いたことの無いちょっと変わった感じのもので、ハ短調でオケが終止して、ソロが上向パッセージを3つ弾いた後に、「ラ・カンパネラ」と同じ変イ短調が鳴ったのには違和感を含め驚きました。自作?私にはちょっとわかりませんが、あまり良いカデンツァではありませんでしたね・・・。それにしても、コンマスの森下さんの指示はいつ見ても的確で素晴らしいですね。この人がいなかったらこの曲はどうなっていたか・・・。考えただけでも・・。

「ロメオとジュリエット」ですが、これは良かったですね。アゴーギクが多少陳腐な感じで、柔軟性と言う点では物足りなかったんですが、曲目・曲順の組み立てが良く、加えて外山先生が手の内に入れたお得意のプロコフィエフと言うことで、聴き応え十分でした。第6曲目に一つ目の大きな「ヤマ」を持って来て、そして「タイボルトの死」から最終曲での盛り上がりと仕上げ、この流れがとても良かったですね。オケの方も指示に応えて良い演奏だったと思います。純粋な「楽曲」を聴くと言うことでは満足出来ましたが、一方でこの作品も持つ「ドラマ性」と言う視点から見るとちょっと物足りなかったと感じた方もおられるでしょうかね。まあそれでもこういう「強弱」が極端な感じの曲は、外山先生は非常にお得意ですよね。良い選曲・演奏でした。

頭の「前奏曲」は、曲中で何度か聴こえてくる「モットー」をベースに、外山先生流の「造り」が楽しめる楽曲だったと思いますが、今、ちょっと思いかえせないような感じですかね・・・。現代曲を記憶に留めさせると言うのは難しいものですが、それでもそこを努力しようと創作されている外山先生には頭が下がります。


27年前、関東の一般大学の楽器弾きがオーディションで選ばれた「選抜オーケストラ」のコンマスをさせて頂いた時、演奏会を外山先生に振って頂いたことがあり、昨日はその時のプログラムをお見せしましたら「おお、あの時の音程の悪かったコンマス君か!」と憶えて頂いていました。ブルックナーの「テ・デウム」のでソロでは、大変ご迷惑をおかけしたんですけどね・・・。プロコフィエフの交響曲第5番では、原典譜・弓順に拘られ、当時譜面の入手にかなりの困難さを味わったことも、今では良い思い出になっています。その時のプログラムに快くサインをして頂きました。これはもう「宝物」ですね。いつまでもお元気で活動をなさって下さい。ありがとうございました。


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久しぶりに、スタンダードなプログラムの演奏会に行って来ました。

<追記>

流石にこの曲目ですから、お客さんも良く入っていましたね。演奏中に感じたことですが、予算やらなんやら色んな事情があるんでしょうが、チェロが8人に対して、1stvnが12人、2ndvnが10人、そしてヴィオラが8人って言うのは、音のバランスから見てもどう考えても2人ずつ少ないですよね。低音の響きは良いのに、旋律線と内声がこの厚みでは、せっかくの「熱演」であっても、「名演」と言えなくなってしまうのは残念なことです。それと、この楽団はゲストコンマスを良く招かれるんですが、後藤さんはどうなっているんでしょうね。まあ名古屋と掛け持ちされているんで仕方ないのかも知れませんが、オケ固有の音を追求するのにこれで良いのかなと思う訳です。矢部さんや四方さんをお招きして聴けると言うのも悪くは無いんですけどね・・・。

ピアノ協奏曲ですが、ソリストのマルクス・グローさん、大きい体の割に、無理な打鍵から音を出すようなタイプではなく、指先を上手に使っての堅実で常識的なピアノを弾く方のように思いました。この曲は、マルタ・アルゲリッチとキリル・コンドラシンのような「競奏曲」みたいな趣の演奏も面白く魅力的ですが、こういう「共奏曲」みたいなのも雰囲気があって良いものです。聴衆も久々に曲そのもの良さを味わえたのではないでしょうか。ちょっと物足りなかったと言う方もいらっしゃったとは思いますが。この弾き方ですが、弦の編成を考えたものであれば、ピアニストの耳は本物ですね。アンコールを期待して拍手を続けていた聴衆ですが、残念でした・・・。

「幻想交響曲」ですが、これもいわゆる「スタンダードな解釈」での素晴らしい演奏だったと思います。小泉さんは「ミニ・カラヤン」「カラヤンもどき」などと言われているんですが、それはそれで良いじゃないですか。曲を頭の中で完成させておいて、それを見事にオケを使って具現化する、これってなかなか出来ないことだと思います。第3楽章、テンポ良く進みながら非常にわかりやすく、「退屈感」を感じる方が多いこの場所も集中して聴けたのは良かったですし、第2楽章の弦のメロディのアーティキュレーションも非常にわかりやすく明晰に奏されたのは、指揮者・奏者両者の実力を示していたと思います。うるさくなりやすい後半も、常識的な範囲の「鳴り」に留めながら、スケール感を創出していて、とても好感の持てる演奏だったと思います。このレヴェルの演奏であれば、聴衆も十分に満足出来たのではないでしょうか。只ひとつ気になったことですが、木管のロングトーン時の音程が合わないってことでしょうかね。和音の造りにこれで良いのかなあとちょっと首を傾げざるを得ないような場所がいくつかありましたので。

2曲とも暗譜で振られた小泉さんは非常に手堅いく素晴らしいですし、7月のグラズノフも十分期待出来そうです。

人の耳と脳と言うものはいい加減なもので、このブログで評論家みたくああだこうだと偉そうに書いていても、それは時に主観的であり、あてにならないものだと今実感しています。第1位になられたおひとり、セバスチャン・ジャコーさんのC.P.E.バッハの協奏曲を本選と披露演奏会で聴いた感想を書いたんですが、当日手元の時計で押したラップタイムを見直しましたが、私の全くの見当違いだったことがわかりました。これについて少し書いてみたいと思います。

まず、本選の時の感想を転記しますと「テンポを比較的遅めに設定して音楽に「遊び」の部分を作り、それにより表現力の表出を十分に行うと言う「憎い」演出をしてくれ、余裕さえ感じました。」 このように書きました。一方で、披露演奏会の時の感想を転記しますと、昨日とは一転、スピードアップさせた「攻め」の第3楽章で、ご自分の極限を披露して下さいました。」 このように書きました。しかし、ラップタイムで検証すると、時計的には全く逆だったんです。以下、本選で演奏されたC.P.E.バッハの各奏者・各楽章の手元で計測したラップタイムです。


1.ティメア・アチャイさん    8分03秒 8分25秒 6分26秒

2.竹山 愛さん          7分25秒 9分14秒 6分25秒

3.セバスチャン・ジャコーさん 8分02秒 9分14秒 6分23秒

          披露演奏会        9分24秒 6分25秒

4.濱﨑 麻里子さん       7分53秒 9分20秒 6分40秒

5.マチルド・カルデリーニさん 違う曲

6.アドリアナ・.フェレイラさん  7分25秒 7分45秒 6分19秒


第1楽章は、明らかに3つの速度パターンに分かれますね。竹山愛さん、演奏直前の舞台上で、指揮者に「早目に」と直接指示する珍しい場面を目にされた方も多いと思います。前奏者のアチャイさんの第1楽章のテンポが、舞台裏で聴きながら「遅い」と思われたんでしょうね。引き締まったテンポで「勝負」に出たんじゃないかと思います。それがその楽章で技巧的に破綻してしまい、アチャイさんに比べ弛緩した印象になってしまった第2楽章、そして立ち直ることが出来なかった第3楽章に繋がって行ったのだと思います。竹山さんが最初の奏者だったら、彼女自身も自分のやりたいように出来たんじゃないでしょうか。ちょっと他を意識しすぎてしまった・・・。ご自分のイメージ通りのテンポで演奏していたら・・・と思うとちょっと残念ですよね。ここで竹山さんにとって順番の明暗が出てしまった感じがします。そして、第1位になられたセバスチャン・ジャコーさんに続いて行きます。第1楽章が前の奏者がかなり早いテンポでしたので、私の中で余計にゆったりだと感じたんですよね。第3楽章も中庸なテンポなんですが、指回りにも余裕があり、これで竹山さんとの差が決定的になってしまったと言う感じでしょうか。濱﨑麻里子さんの演奏は特に印象に残らなかったんですが、第2.3楽章でのテンポの遅さが余計にそういう印象を後押ししてしまった感があります。このテンポでは技巧面でも優位に立てませんし、演奏も重たく(鈍く)感じてしまうことになったんでしょうか・・・。次のマチルド・カルデリーニさん、この順番で皆さんと同じ曲を演奏されなかったのは、ある意味幸運だったかも知れません。審査員も聴衆も少し耳が曲に飽きて来たところに、出だしが長調の明るい曲で雰囲気を一掃し、第3楽章の超絶技巧も見事乗り切ったんですよね。順番がもっと前の方だったら印象が大きく変わったかも知れません。実際に、私の耳にもとても新鮮な演奏に感じましたし。そして最後のアドリアナ・.フェレイラさん。全ての楽章で最速のラップタイムを計測しています。特に第2.3楽章は圧倒的に早いラップタイムでした。全てにおいて積極的な演奏で、確かに素晴らしかったんですが、ここまで続けて聴いて来ると、この演奏は「かなり忙しない」と思ってしまうのかもしれませんね。この方も、もっと前の順番だったら大きく印象が変わっていたかも知れません。あまり演奏順について考えたことが無かったんですが、こうやって順番にラップタイムを比較したりすると、何となくですが、これが評価の一部に繋がって来る重要なことなんだなあと思ってしまいますよね。

それと、最初に書いたセバスチャン・ジャコーさんの本選と披露演奏会の印象。実際には披露演奏会の方が2つの楽章とも遅いタイム、上で書いた感想とは全く逆だったんですね。これはちょっと恥ずかしことなんですが、それだけ本選の時のセバスチャン・ジャコーさんの演奏は、余裕綽綽で余程の自信を持って臨んだんだと言えるのではないでしょうか。実際にケチの付けようのない協奏曲だったんですから。恐るべしセバスチャン・ジャコーさん、ですかね。


せっかく行われた国際コンクールです。こういう聴き方も面白んじゃないかなあと。まあほぼ自己満足ですけどね・・・。曲もほぼ憶えました。結構良い曲だったんですね。今後、この曲のいろいろな演奏も聴いてみたいですね。

次回、いつになるかわかりませんが、本選の前半に演奏されたモーツァルトのフルート四重奏曲についても、考察出来たらと思っています。