The Magellan -85ページ目
ぼくはまたきょうも
夕暮れを一人で見つめている
来るか来ないかわからなかった明日が
いまはものすごいスピードでやってくる
架空の国は実は現実と重なるように存在していて
ぼくの街はすでに壁画の中で発光している
きみの声も
ぼくの言葉も
きみの自由も
ぼくの不自由も
すべての文字列から転調し
邂逅の時間がゆっくりと封印されていく
突然
夏が墜ちてきて
心の扉を開くと
そこは不眠の草原
時の彼方で
小鳥がさえずり
未知の朝が到来する
bossa novaが流れ
さまざまな街の風景が
眼前をよぎっていく
きみの小さな掌のなかで
私の夏がはじまる
いくつもの
季節の風に吹かれながら
形にできない
みえない気持ちをきみに届けよう
距離も時も
簡単には超えられないけれど
未来はなぜか
輝いてみえる
きみに届けられるものは
世界でたったひとつの想い
そして
ひとひらの花
時のうつろいの中で
ひと筋のひかりが
ゆっくりと
ほどけていく
indigo blue
あるいは
紫陽花の夢

