Book103.実録 プロレス対柔道 | Cap as Cap Can!! 俺は帽子とだってプロレスできるぜ日記
世界の柔道王山下泰弘氏がJOC会長に就任!?という話題が出ていますね。

山下氏といえば、先日の新間さんのトークショウで「おじいちゃんは、契約金受け取ってくれたんですよ!」という話題が出ました。

たしかにそんなコトもあったなぁ。。。

古くは遠藤幸吉、木村政彦、山口利雄、坂口征二、アントン・ヘーシンク、ウィリアム・ルスカ、バッドニュース・アレン、そして小川直也。

プロレスに転向した柔道家は多いものの、名前ほど活躍できていないよなぁというのが、僕の正直な感想です。

ルスカとアレンの喧嘩マッチは壮絶でしたが。

あっ!

そう言えば、武藤も柔道出身でした(笑)



プロレス対柔道

どこかの古本屋で買ったもので、ブックカバーさえありません。

久々に読み返したのですが、あまりの面白さに熟読してしまいました。

創作家として名高い(?)桜井康雄氏が記した一冊だけに、どこまでがノンフィクションであるのかは怪しい限りですが、アド・サンテルというレスラーがとてつもなく強く、講道館を歯ぎしりさせる存在であったのは紛れもない事実のようです。

講道館の柔道家をばたばた倒すアド・サンテルの姿は、自分達こそ世界最強と信じていたUWF系レスラーたちの前に立ちはだかるホイスやヒクソンを彷彿させます。

1ラウンド20分、3ラウンドの3本勝負。

ルールはKOかギブアップのみ。

ピンフォールや一本での決着はなく、寝技等の制限も無し。

なんでもありのフリーファイトです。

柔道家は送り襟締めか腕ひしぎ逆十字、プロレスラーはフロントヘッドロックかトーホールドで相手を仕留めており、その決まり手は、現代のMMAと酷似しています。

プロレスラーに追い込まれた柔道家が、マットで大の字になり寝技に誘うと言った猪木・アリ状態も描かれていて、猪木の異種格闘技戦さえ行われていない時代に、桜井氏の異種格闘技戦に対してのシミュレーション能力の高さは素晴らしすぎ!

40年以上前に出版された内容とは思えません。

最終章のコンデ・コマの武勇伝では、ブラジルの格闘技としてルタ・リーブレまで紹介されており、桜井氏の格闘技知識は当時の最先端レベルであったことがわかります。

この書籍で紹介されている数ある秘話の中で最高なのは、「スペイン時代の前田が伯爵の娘と大恋愛に落ち、婿養子になるという噂が流れた時、『それは困る』という前田の口癖から、コマという愛称で呼ばれるようになった」というエピソード。

それを読んだとき、私は思わずひっくり返ってしまったことをお伝えしておきたいです(笑)

実録 プロレス対柔道(東京スポーツ出版 桜井康雄 1974年)