「神戸ニニンガ日誌」(第2,961号)
○直木賞作家なので当然ではあるのだが、桜木紫乃という作家は稀代の名作家だ。『裸の華』を読んで確信する。北方謙三が直木賞に推した『ラブレス』、直木賞受賞作『ホテルローヤル』に続く3冊目の桜木作品。
○元ストリッパーのノリカが札幌に帰ってくる。左脚を骨折して1年経っていた。「次」を求めてすすきので店舗物件を探す。ここでダンスシアターを開くのだ。サツホロ不動産の営業担当・竜﨑甚五郎が凄い。店舗の周旋だけでなく「ダンサーとバーテンダー」というノリカのリクエストを受ける。
○竜崎は、程なくみのりと瑞穂という2名のダンサーを連れてくる。開店までの短時間で「売り」になるダンスの構成や振付、曲順などを決めなければならない。クールなみのりと柔らかい瑞穂の対比と絆が心地よい。
○登場人物はほぼこの4人だ。その過去、その心情、その関係、そしてその未来が交錯し昇華する。ラスト、つつましいが凛とした生身の華が咲く。
ⓜⓐⓓⓐⓘⓜⓐⓓⓐ まだいまだ。