「神戸ニニンガ日誌」(第2,440号)
○赤瀬川原平の『外骨という人がいた』(ちくま文庫)を読む。慶応3年生の宮武外骨の人と仕事を考現学的手法で繙く。
○この本は1985年に白水社から出た。買おうと思っていたが、当時は熊楠関連資料を集めていて、立ち読みで済ませた。
○文庫を読み改めて外骨の凄さ、面白さ、編集の大切さを学んだ。赤瀬川さんの紹介の仕方も秀逸だ。
○様々な揶揄、批判、糾弾、パロディ、反権力的・エロ的表現で何度も逮捕された。『噂の真相』岡留安則編集長も常に裁判沙汰を抱えていたが、外骨の『滑稽新聞』はゴシップ雑誌ではない。たぶん。
○思えば私は亡父の「外骨、熊楠、王仁三郎がすごいと思う」という言葉を受け南方熊楠の私設応援団設立に至るが、熊楠も投獄されている。
○また、出口王仁三郎も逮捕投獄されている。私の父親推薦の3人は揃って投獄トリオであった。
○明治・大正という時代背景が関係はしていると思う。また私の父が、外骨の自叙伝のタイトルでもある『予は危険人物なり』のようなキャラを特に好んだのかも知れない。
まだいまだ。