Macrowavecat現像室 -406ページ目

謹賀新年 2021

2021年の干支は辛丑(かのと・うし)。

きつい環境下で力を養い飛躍の準備をすべし、と言うような意味らしい。

まさにコロナ禍での年の始まりを暗示しているようだ。

 

と言いつつ、毎年の事ながらその辺の事をまったく意識しないでピックアップした牛のオブジェ。
 

サイズ約8.5x7cmの小振りのブロンズレリーフに牛と裸婦が描かれている。

 

 

作者は残念ながら不明だが、しっかりした構図・造形に加えて、牛や人物の細かい表情も表現されている。

 

モチーフは「エウロパの略奪」でまず間違いないだろう。

 

例えばギュスターヴ・モロー作の「エウロパの略奪」では、良く似たポーズの牛と裸婦が見られる。

(Gustave Moreau "L'enlevement d'Europe")

 

 

このレリーフでは、牡牛に変身したゼウスがフェニキアの王女エウロパを掠って海を渡っている様子が描かれている。

どうも企業の記念品として作られたもののようなのだが、最初はわざわざこのモチーフを選んだ理由が理解できなかった。

 

調べてみると、主神ゼウスに見初められ、海を渡った新天地(クレタ島)でゼウスとの子を成して新しい王朝の祖となるという物語から、中世ヨーロッパにおいて祝婚、海上進出、領土拡大、子孫繁栄などの意匠とされたそうだ。

 

これらのことを踏まえると、レリーフ製作の目的としては例えば企業の海外進出の記念などが考えられる。

 

 

さて、2020年はコロナ禍の下で身動きできずに参ってしまったが、2021年はせめていつものフィールドを歩けるようになってほしいものだ。