Ephemera Aeterna (永遠のエフェメラ)
まずは、(珍しく)近況から。
最近、ようやくパソコンの更新を終えた。
Windows10のサポート期限のこともあるが、デスクトップPCはいろいろトラブルが発生する状態になっていたし、緊急時のバックアップとして使っていたノートPCが夏に熱中症で逝ってしまったりで、結局二台新調することになった。パートタイムとはいえ、自宅でPC作業ができない状況はさすがに不味いので。
さて本題は、このモニターに「たまたま」映ったMV映像のことだ。
話は十数年以上前に遡る。初めて台湾に出張した時のこと。安いという理由で否応なく宿泊することになった台南のホテルは、場末の連れ込み宿かと思うようなところで、換気口から大きなクモが這い出てきたりして呆れた程だったが、さすが<連れ込み>。テレビでMTVが見放題になっていて、部屋にいる間は台湾ポップスを聴きまくっていた。今は分からないが、当時の台湾の若い歌手のMVは短編映画のようにしっかり仕上げたものが多かった。帰国してから、記憶を頼りにネットで探してみたが意外に見つからない。わずかだが検索にかかって気になったものを日記に記しておいた。
このメモをもとにYouTubeで「弦子-醉清風」と検索してみたところ、当時の映像がまだ生き残っていた。
弦子(シェンズ、シェンツー)は中国の広西チワン族自治区出身の歌手で、2005年に台湾のレコード会社にスカウトされデビューした。「醉清風」は彼女のオリジナル曲で、デビュー前にネットで公開され注目を集めていたという。上の写真のモニターに映し出されたMVは、デビュー後早い時期にシングル曲として発売された「醉清風」の最初のMVだったようだ。ただ、このMVは早々に弦子自身をフィーチャーした新版(アルバム収録バージョン)のMVに差し替えられてしまったらしく、今ではもう非公式のYouTube動画として残るのみだ。
このような文字通りの「エフェメラ(儚いもの)」が、細々とながら一般人がアクセスできる形で残っていること、そしてその手段を、図らずもYouTubeが提供していることは興味深い。
一般に、非公式でも長く残っている動画は、権利者から「無害ないし有用」と思われてあえて放置されている例が多いような気がする。とは言え、今後も残る保証はないので、簡単に物語の前半部分をスケッチしておくことにする。
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自転車に乗っていてふと目にした写真館。そこで少女は自分の写真を撮ることにした。
写真館の中では青年の写真家が若い夫婦の写真を撮っていた。彼女の番になり少し戸惑いながらカメラの前に座る少女。
そこで起こったふとした事を切っ掛けに、二人の淡い恋が始まる。
ただ、彼女には秘密があった。彼女は自分に残された短い時間を大切に過ごすためにこの街にやってきた…そのことが、短いシーンの積み重ねによって仄めかされる。
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こんな二人の短い物語が、<最後>まで静かに淡々と描かれる。それが逆に、二人を慈しみ見守るような制作者の視線を際立たせる。そして、切り替わるシーンの展開が「醉清風」のメロディーの流れにきれいにシンクロしていく。
この見事な「短編映画」がエフェメラとして消え去るのはあまりにも惜しい。
弦子のYouTubeトピックチャンネル(中華版?)にシングル版「醉清風」の音があったのでリンクしておく。
YouTube:
醉清風 (2005版|単曲)
以下の写真は、2008年12月の台南の風景。以前の記事でも何枚か紹介した。
国立成功大学の構内。
大学構内には野外彫刻がいくつもあった。
夜市。
この写真はお気に入り。
勝和宮五府千歳という道教の廟の参道の入り口(?)。
新光三越。マスコットがライオンならぬ狛犬。季節柄「MERRY CHRISTMAS」の看板がある。









