◆柴犬 男の子 ひなた7歳 あお、そら6歳
◆父と3兄弟の歴史
父、犬を飼う~ 犬嫌いだった男が、柴犬3匹と暮らすに至った物語
新緑の山道を歩くとそこには静かな空気と伸びゆく緑があふれている。飛び交う鳥と蠢く虫そして躍動する犬たち。森の中では人も犬も初夏を感じることができる。
春の日に一度だけ分け入ったことのある山に入ろうかと躊躇う。そして「もう遅い」と立ち止まる。もう山の中で野生は活動を始めている。野生を忘れた人と犬が立ち入るには遅すぎる。山道を歩くだけで引き返す。それでも犬たちは山道を興奮しながら歩き回る。
空を見上げると青い澄み切った空。夏の霞んだ青空がやってくるのはまだ先か。
犬は空を眺めない。でもそらと名付けた赤柴は時々空を眺めている。やっぱり名前は大事だな。そらは「腹減ったなー」と思っているだけかもしれないが。
山と空と犬を交互にみる。やはり犬は自然が似合う。のんきにおしっこをする場所を取り合っている犬たちをみて時間を忘れる。いやそんなに同じ場所でしなくてもいいだろうと正直思う。
長い散歩の後は赤柴は疲れて座り込む。それを見てもう野生では暮らせないなと思い軽い溜息をはく。犬は人と暮らすことを選んだんだな、きっとそうだと思う。
父が更新
スズメバチ襲来以来、山に入るのが怖くなった。次に入れるのは落葉後か。
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