柴犬 男の子 ひなた7歳 あお、そら6歳
父と3兄弟の歴史
父、犬を飼う~ 犬嫌いだった男が、柴犬3匹と暮らすに至った物語
「雨の音をきく日は犬の声をきかない」
雨の日の犬の散歩は正直つらいものです。それが3匹ともなればかなり気が滅入ります。だから雨が降るかどうかは毎日気にしています。7年間ほぼ毎日散歩にいって気づいたことは雨はめったに降らないということ。梅雨の時期以外はほとんど雨は降らないことにこの歳になってようやく気づきました。興味を持たないことがどれだけ目に入らないのか、記憶に残らないのかということがよくわかります。毎日の天気でさえそうなのだと思うと今まで見落としてきた数えきれない程の出来事は自分には必要ないことだったのだろうかと振り返ってみたりします。でも多くのことに気づかないから人は生きていけるのかもしれないと考え直して前を向きます。
朝、雨の音を聞くと父の気分は下がります。犬たちも同じように気分は下がります。そんな日は誰も父を起こしにはきません。犬たちは何事もなかったようにまだ夜が続いているかのような態度で眠り続けます。それでも父は役目を果たすために起き上がります。その父のあとを追ってくるものは誰もいません。どこに行くのかというような冷たい目線でこちらの様子をうかがっています。父は淡々と準備を整えハーネスをかけるところで犬たちを呼びます。あおいとそらは程なくやってきます。でもひなただけはなかなか寝床から出てきません。しかたなく寝床までいってハーネスをかけると、ようやく諦めたのか立ち上がって玄関に向かいます。
雨の日の朝、気分が下がったままの父と3匹はようやく1日をスタートさせます。父は散歩という役目を果たすため、3匹は父の役目に付き合うために雨の中に出かけていきます。この役目が犬のためだというのは人が勝手に決めた事、犬は行きたくなければ行かないし、排便もしたいときにするのです。そんな役目に付き合いながらも出かけてしまえば犬たちはとても楽しそうに散歩をしています。それをみて父の心も少しは安らかなものになります。
天候を気にしながら毎日散歩を続けていて気付いたことがもう一つあります。朝は天気が安定しているということ。朝凪と夕凪という言葉の意味を身をもって知りました。この言葉は海で使う言葉ですが、実はこの辺りは見通しのいい場所からは海も見え、海側からの風と山からの風が吹く天気が安定しない場所です。でも早朝の天気は安定していると感じることが多く、実際に夜降っていた雨が早朝には上がり、日が昇るとまた降り出すことも多いです。風の吹き方も同じです。
自然を感じることができる父のこの役目はまだ当分は続きます。
父が更新
台風の日は最悪です。
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